大学を卒業して就職すると、新卒扱いとして入社することになります。しかし、雇用形態は様々で、正社員で採用する会社があれば、契約社員として採用する会社もあります。では、契約社員として入社することのメリット・デメリットはどのようなものがあるのでしょうか。今、就職活動をしている方、これから就職活動を始める方にぜひ知っていただきたいことをお伝えします。
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新卒で契約社員になることは、正社員として入社することとは違う
以前は、大学卒は正社員として採用する企業が大半でした。しかし最近は、職種や雇用形態の多様化が進み、契約社員として採用する企業・職種も増えています。
もちろん正社員と契約社員では仕事の内容、キャリアパス、待遇・福利厚生などが変わります。契約社員の募集は採用の障壁が低く、多くの方にチャンスがありますが、メリットだけではありません。
デメリットもあります。その違いをお伝えします。
契約社員はもったいない
契約社員として入社した時点で、新卒扱いではなくなります。大学生が取り組む就職活動はほとんどが新卒を条件にしているので、一度でも企業に契約社員として入社したら新卒の資格を満たすことができなくなり、就職の選択肢がグンと減ることになります。
しかし、望む就職先がなかったときに留年して引き続き就職活動を続ければ、新卒の資格を満たすことになるので、募集条件の面で選択肢が減ることはありません。就職先の幅広さ、という観点で、契約社員として就職するのはもったいないことだといえます。
契約社員のデメリット
仕事をする、という面でも、契約社員はデメリットがあります。まず、有期雇用契約であることです。1年や2年など、年単位で契約しながら働くので、企業の事情に伴って契約が満了して退職せざるを得なくなる可能性があります。また、有期雇用契約になるので退職金は基本的に支給されません。
待遇・福利厚生の面でも、正社員より基本給が低い、賞与の支給額に差が出る、福利厚生の制度についても正社員雇用の従業員よりも利用できないものがあるなど、様々な面でデメリットが出てきます。
契約社員として働く事務の仕事・特徴
様々な仕事が契約社員として募集されていますが、その中で多いのが事務の仕事です。仕事の内容は、正社員と差が出てきます。
書類のコピーや電話対応など、いわゆる雑務が主体です。専門的な仕事は正社員に任せて、そのサポート役を担うケースが多くなります。
自信の存在価値について疑問が生じる
責任が求められるときが少ないので「自分以外でもできるのでは」と感じるようになり、自身の存在価値について疑問が出てくる可能性があります。しかし、会社で感じるストレスは正社員よりも少なくなるので、仕事とプライベートをしっかり切り分けながら生活を送れるのはメリットです。
残業も、正社員よりも少なくなります。定時で退社して平日でも友人と遊びに行ったり買い物をしたりと、ワークライフバランスを保った生活をしたい方には契約社員は魅力ある選択肢になるでしょう。
新卒で契約社員から正社員になれるか
契約社員として働き、様々な経験をすると、考え方も最初とは変わってくるものです。「はじめの頃は働けるだけで満足だったが、自分の将来に安心がほしい」「ひととおりの仕事を経験したが、もう一段階仕事のレベルを上げて成長したい」など考えは様々です。
ステップアップできる制度を設けているところもある
それらを通じて到達する結論のひとつが「正社員になりたい」というものです。仕事に熱心で勤勉な契約社員は正社員にステップアップできる制度を設けている企業も多く、転職せずに正社員になるチャンスを得られます。
毎日の仕事をしっかりこなすことで未来の選択肢が増えることは、正社員も契約社員も同じです。
新卒で契約社員だと転職できるか
契約社員として経験を重ねたあとに転職することは可能です。新卒で入社してから年齢が若いうちに転職活動を始めれば、第二新卒としてみなされるので、企業・仕事ともに様々な選択肢を得られます。
しかし、面接では「新卒で契約社員として入社した理由は?」と質問されるケースが少なくありません。理由の伝え方次第では面接官からの印象を損なう可能性があります。
事実を踏まえつつ、契約社員として入社したときに生じた葛藤や見つけた目標、それに向けてどのような経験が強みになるのかなど、自己分析をした上で未来の目標を絡めながら伝えるようにしましょう。
転職できる企業はあるのか
転職の選択肢は就職活動のときよりも少なくなります。しかし、転職のときは正社員として働いていたことを絶対条件に設ける企業は多くありません。
人柄、経験、仕事への姿勢を重視するケースが多いので、自身のアピール方法次第では就職活動のときは高嶺の花だった東証一部上場企業に入社できる可能性もあります。
選考時に契約社員としての勤務がデメリットになる可能せはありますが、全ての可能性を否定されることはありません。
転職したときの年収は上がるのか
企業によって様々で、前職よりも額面上で増えるケースと減るケースがあります。少なくとも言えるのは、転職サイトなどで掲載されている給与は最下限の金額になり、最低でもその額面の給与は得られます。
年齢給のテーブルが明確に設定される企業なら交渉も可能
しかし、そこからプラスした収入でスタートできるかというと話は別です。年齢給のテーブルが明確に設定されている会社なら、サイトなどに表示されている金額より上の状態でスタートすることも可能で、それに伴い年収もアップします。
しかし、年齢給のテーブルが不明確であれば、最下限給与のままスタートする可能性もあります。その場合は、契約社員として働いていた前職時代よりも年収は下がる可能性があります。
新卒での契約社員の女性のキャリアパス
たとえば新卒・契約社員で入社して事務職としてスタートした場合は、まず任されるのは雑務が中心になるでしょう。書類の印刷、電話対応、来客に伴うお茶出しなどが多く、他の仕事においては売上入力などのパソコン操作が中心になる可能性があります。
これらの仕事においても、リーダーである正社員から指示を受け、それを確実にこなしていくことが主な役目になります。
特徴は何か
同じ部署の先輩や他部署の人たちを手伝う仕事が中心になり、自分から何かを考えて発信して行動する力を養うのは難しいかもしれません。しかし、言われたことを間違いなくこなせるのは重要なスキルです。
特に経理や財務、営業事務などの職種は数字を確実に管理することが求められるので、契約社員のときに得た経験とスキルを活かす機会が多々あります。
採用している企業はあるのか
企業規模は様々です。東証一部上場企業もあれば、少数精鋭業もあります。
業界も、自動車、家電、広告、ITなど多岐にわたります。職種も事務や経理・財務、営業アシスタント、総務などいろいろあります。
転職エージェントなどを利用したら、自身の経験と希望にマッチした企業や仕事を紹介してくれるので、円滑で確実に活動できます。
新卒での契約社員の男性のキャリアパスとは
業界・企業・職種によって様々ですが、新卒・契約社員で働く男性には少し周りからの風当たりが強くなるかもしれません。正社員として働く人たちを上回る実績を残して、はじめて正社員になるチャンスを得られる企業もあります。
転職においても、年齢を重ねるほど、新卒・契約社員としてのキャリアが不利になる可能性が大きくなります。自分だけで転職活動をするのではなく、転職エージェントの力を借りながら活動をするほうが望む結果を得られるかもしれません。
採用している企業は多数ある
業界、規模、職種、様々な選択肢があります。世界でも有名で盤石な経営基盤を誇る会社に入社できるチャンスもあります。
また、期間従業員として入社して製造の仕事に従事して、採用試験を受けて正社員になれる大企業もあります。一概に、すぐ正社員として働くことだけが未来を保証するとはいえません。
数年遠回りをして望む企業に入る、というキャリアパスも魅力的な選択肢になります。転職エージェントに相談して、自身のキャリアを整理しつつ、可能性を追求することを推奨します。