日本経営協会(浦野光人会長)のまとめた「若手社会人就労意識ギャップ調査2016」によると、ゆとり世代といわれる若手社会人の48・7%が「できれば就職活動をやり直したい」と考えているようだ。就職活動で内定をもらったとしてもまた、就職活動をやり直したいと考えている要因はどこにあるのか。
また、転職調査に関しても前回の12年調査と比べて転職志向は拡大した。「昇進したくない」人の数も増えた。
今回は就職活動で内定をもらった人がどういうところで就職活動をやり直したいと考えているのか、そして就職活動を実際にやり直すとしたらどのような行動を取った方がいいのか。就職活動で企業から内定を貰っていたのにもかかわらず全く違う職種で就職活動をやり直したことがあるRplay編集部の人間の話もご紹介。
就職活動で内定をもらってもやりなおしたいと考えている人の特徴
今回の調査のように就職活動で内定をもらっても、もしくは企業に入社して「就職活動をやりなおしたい」と考えている人は少なくありません。
就職活動を始めて改めて現実と向き合って、時には壁にぶつかることもある。志望している企業に落ち続けたりすると、ある程度の企業でも自分の中でふんぎりをつけてその内定を受けるということも少なくありません。
そのまま企業に入社してなんとなくのモチベーションなので、維持できず転職する。そういう流れや意識があるからこそ、今回転職調査においても数値が増えていると考察できる。
ここでそういう方の特徴を幾つかあげてみたい。
就職活動を周りに流されて行ってしまった
就職活動を周りの友人に流されて行ってしまったという人は、かなりの確率で後々迷うことになる。Rplay編集部の学生の友人でもそのような学生がいたようだが、友人に流されて業界や企業を選択してしまうと本来の自分の価値観と徐々にズレが出てきてしまう。
しかも最悪なのは、友人は就職活動でうまくいっていくのに、自分だけは流されて始めたものの就職活動が全然うまくいか無いパターンだ。こうなってくると自分の価値観がわからないのにも関わらず、ある程度の企業数を業界を絞って受けてしまっていて、しかも多くの企業が終わってしまっているという状態もある。そうなってしまっても責任をとるのは自分だ。しかもうまくいかないと段々焦りが出てきて本当に自分が何が好きなのか、どうなりたいかを無視して内定をとるように動いていってしまう。
そうなってくると、そこまで志望度が高く無い企業でも内定を貰ったら決定することになる。実際そのようにして入社した人の多くが転職志望度が高く、1年半未満で転職しているという話をよく耳にする。
将来的に自分のキャリアを狂わせないためにも、就職活動は周りに流されずに自分の頭で考えて行動するべきである。
自己分析が甘かった人
自己分析が甘くて後々選択を後悔している人がいる。
その時は良いと思っていたが、「振り返ると本当にやりたいのかわからなくなった」と後々になるケースも増えている。学生側は就職活動が思っていたほど大変ではなかったと答えているというデータもあるが、その状況と反して就職活動をやりなおしたいという人が増えているのは「よく考えずに行動してしまった」か「周りに流されて行動してしまった」という人ではないだろうか。
売り手市場で企業側が人が欲しいので内定を出すが、学生側がよくよく考えてみると合わないかもしれない、となってしまっている。
インターンシップなどで他企業で働いている人
インターンシップやバイトなどで長期的に企業で働いている学生は、その企業の社員などから「他の企業を見てみたら」といった声や、自分でも「他の企業をみてみたい」「自分の他の企業からの評価を聞いてみたい」ということで就職活動をしている人がいる。上記したような特徴の学生とは少し異なるが、インターンシップをやっていた・周りの人から勧められたので就職活動をやり直したいと考えている学生もいるようだ。
しかし、こういう学生の場合は後々追加募集があったときに強い。インターンシップやバイトでの長い経験の話をするとエピソードや伝え方、経験の濃さにもよるが評価されるケースが多い。こだわりを持って取り組んでいた人ほど、熱意をもって伝えるようにしよう。
学生の特徴を述べてきたが、後々から行動を変えるという人も当然いるしいてもおかしくはない。自分が少しでも違うなと感じたら早く方向転換するべき方向と、どうやって行動するべきかを考えてすぐに行動に移すべきだ。
具体的にどういう行動を行っていくべきかをご紹介したい。
無い内定を恐れず、具体的に行動を移していくべき項目
内定がなくても恐れずに具体的に行動していく際にやるべき、これはチェックしておいた方がいいという項目や行動を。
まずは内定をもらった企業に謝りの連絡を
せっかく多くの時間を割いて採用をしてくれた企業に対して内定を辞退するという連絡をするときは辛い。企業の人事としても内定を辞退されることほど辛いものはないのだ。だから内定の辞退をするときは誠意を持って伝えるようにしなければならない。メールなどで気軽に済ませてしまうという人も少なく無いようだが、最低限電話で誠意を伝えるように。
企業によっては内定辞退の理由を聞かせてくれということでもう一度面談が設定されることもあるが、自分の誠心誠意を伝えれば確実にわかってもらえる。企業側も無理やり取ったとしても辞められてしまっては困るからだ。なので人として誠意を持って対応するようにしよう。
ナビサイトよりも直接企業情報を手にできる手段を見つける
ナビサイトの場合は、「新卒一括採用用」のサイトになってしまっている。これは新卒採用を効率化したい大企業があるからある程度仕方が無い部分だ。しかし就職活動をやり直したいと考えている学生にとって、情報を得るために良いサイトとは言え無い。
ナビサイトで情報を取得するよりも、Rplayの企業ページなどのように最新の企業情報が常に更新しているサイトをチェックすることをお勧めする。
チェックするべきサイト
●直接の志望企業のサイト
●rplayなどの個別企業情報の更新が早いサイト
自己分析をやり直し、将来なりたい姿や働き方を具体的に書き出す
ノートなどに自分の将来なりたい姿や、どれくらいどのようなポジションで働いて、どれくらいの金額をもらっているのかをイメージして具体的に書き出すことをお勧めする。
将来の描き方と調査するべき項目
①どういう企業なのか
②何年でそのポジションにつくことができるのか
③将来の業界動向はどうなっているのか
業界動向として、衰退している業界にいってしまっては昇進や昇給はしづらい。年功序列によってそこまで働いていない社員にも給与が増えて行く仕組みがある企業は特にしたの年代への風当たりが激しいだろう。企業の業界内での独自技術やポジショニングはもちろんのこと、業界全体がどうなっていくのかを想像することが大切だ。
将来の像を具体的にイメージして書き出し、調査することによって自分の行動に対しても一貫性が出てくる。小手先の業界分析や自己分析では迷いが生じてしまうので特に注意が必要だ。
最終的に選択したものを正しくしていくのは自分なので妥協せずに行うことをお勧めする。
志望度が高い企業ならばバイトや業務委託で入社する
なるべくなら正社員で新卒入社することが好ましいが、志望度が高い企業で採用がすでに終わってしまっているのであれば、最悪バイトか業務委託で入社することも検討してみてもよい。その際に自分のこれまでの就職活動の流れと、なぜその企業を志望するにいたったのか、将来的なキャリアの設計なども十分に考慮した上で、新卒ではなくても良いということは具体的に伝えるようにする。
「若い人には熱意や行動を求めている」という企業であればもしかしたら採用されるかもしれない。これではダメかもしれないと諦めて行動しないよりは、行動してみて現状を変えていけるという人を企業も求めている。
就職活動をやり直し、企業・学生ともにミスマッチを防ぐ
就職活動をやりなおしたいと考えている人が全てが悪いわけではないし、むしろなポジティブ話だ。企業側としても合わない人をお金をかけて採用してもすぐに辞められてしまっては困るし、働く学生側も嫌々働くのは、人生の大半が仕事となるのに意味がない。
実際転職調査においても3人に2人が転職を検討しているという結果になっているのを見ると、企業と人とのミスマッチが起きているか、入社してからの不満、企業側の評価体制など様々な問題があるということがわかる。
仮に再度就職活動を行えたら、「する」が同3・7ポイント増え48・7%、「どちらともいえない」が同2・5ポイント減の34・0%、「しない」は同1・1ポイント減の17・4%だった。転職経験のある割合は27・1%、「経験はないが転職の意思がある」が39・5%。3人に2人が転職を検討している結果となった。
企業と学生の採用の「ミスマッチを防ぐ」という意味でも、”就職活動をやり直す”という仕組み自体がもっと普及する必要があるのかもしれない。
Rplayでは第二新卒や就職活動をやりなおしたいという方向けにも情報を発信していきたいと考えているので是非チェックしてみて欲しい。
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