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プロジェクト管理方法・手法についての基本
プロジェクトマネジメントと一言で言っても、会社のサイズ、プロジェクト・事業の種類、予算、人員配置などによって役割が異なります。
プロジェクトマネジメントの手法やツールは様々なものがありますが、プロジェクトマネジメントについての知見はあまり共有されていないことが多いので、プロジェクトマネジメントについての手法・ツール、ツールのそれぞれの特徴や基本についてこちらの記事ではまとめています。
プロジェクトマネジメントの前提
この記事でいうプロジェクトマネジメントは、プロジェクト全体を管理するという意味に捉えており、プロダクト単体の話ではありませんのでご注意ください。
主に中小企業・スタートアップで1プロダクトまたは複数プロダクトを開発・運用する会社が直面しそうな課題を元に書いております。
そもそもプロジェクト管理、ツール選択をするときの基本
- メンバーはどういうメンバー構成なのか、人数
- どういうプロダクトを作っているのか、運用か新規か
- どれくらいの資本のある会社、プロジェクト、組織なのか
- どういうバックグラウンドの人がプロジェクトマネジメントをするのか
上記のような項目を整理しておくことで、自分たちに必要なツールがはじめて判断できます。他者が使っているからといって自分たちのチームにあっているかはまた別です。
その辺を踏まえた上で、この先を読み進めていただけるようお願いいたします!
プロジェクト管理の項目は何があるか
予算管理
予算管理は、「誰をどれくらいチームに入れるか、今後どのように人材の採用が必要になるのか」を見越して、「資金をどのようにどうかしていくか、またはプロジェクトに全体的にどのようなお金が発生するのか」、リスクを踏まえて考えておくことです。
プロジェクトを進行していくと、プロジェクトの進行状況に応じて誰かを追加で人材登用しなければいけなくなったり、逆に不必要だと思ったら、切る可能性もあります。
プロジェクトマネージャーは、単純にメンバーの進捗管理だけでなくプロジェクトを管理全体を行うので、予算から逆算し人材の採用などを考える必要があります。
グーグルスプレッドシートやfreeeなどを利用してPL・BSを作成している方が多いですね。
進捗管理
プロジェクト全体の管理
ガントチャート
グーグルのスプレッドシートやGantterなどで利用できるプロジェクトの項目ごとに必要な内容とそれをいつまでに進めるかをチャートで表示したものになります。これによってプロジェクト全体をどのように進めていくのかを理解することができます。
プロジェクトに遅延がある場合、チャートが全体的に後ろにずれることによって、プロジェクト全体の動きを判断できるので、事前に問題を察知することができます。
出典:ウィキペディア
タスク管理
プロジェクト管理は全体の管理であることに対して、細かいタスク管理は、上記でプロジェクトの項目として切り出された一つずつをどのように管理するかが大切になります。
一つ一つのタスク管理、「誰をアサインする、どのくらいの時間で終わるか、マイルストーン、このタスクに必要な資料や、補足事項があるかどうか」など細かい内容が必要になってきます。
プロジェクトの進め方やメンバーにもよりますが、タスク管理が完全にここに任されている場合もありますし、小さな組織やチームであれば個々人に任されていることが多いです。
タスク管理はビジネスマンの基本なので、タスク管理をどのように進めるかは一番最初に学んでおくべきポイントですね。
採用活動・採用管理
プロジェクトの全体が決まり、予算が決まってくると採用活動や採用の管理も必要になります。「誰をどのようなポジションでチームに入ってもらうのか、その予算はどれくらいなのか」プロジェクトを進めていくとわからないこと、不明なことが増えてきます。
それに対して人で対処するのか、ツールで対処するのかはプロジェクトマネージャーが判断することですが、人を雇用するには「誰をどこに入れて、どのように活躍してもらうのか」を考えておく必要があります。
プロジェクト管理ツールと手法と比較
Backlog(バックログ)
バックログは、ヌーラボ社が開発している国産のプロジェクト管理ツールです。インストールの必要がなく、ブラウザ上で利用できるのが特徴で、便利です。
バーンダウンチャートや、細かなプロジェクト管理もすることができるので、多くの企業で利用されています。
また、タスクのマイルストーンを決めておくとリマインドをメールで送ってくれるなどプロジェクト管理に必要なことがだいたい全部入っているというようなツールになっています。
Trello(トレロ)
タスク管理ツールとして有名なのが、Trelloです。Trelloはアプリもブラウザもどちらも利用しやすいツールになっています。
Trelloの特徴
インターフェースはかんばん方式となっており、プロジェクトを作成して、プロジェクトの中に「カード」と呼ばれるものを作ります。
これが大きな箱になっており、「今やっていること」「今週のタスク」「終わったこと」「アイスボックス」などの箱に分けておき、その中に細かいタスクを入れていくことになります。
Trelloがオススメのチーム
タグなどをつけることもできますし、マイルストーンを設定することもできるので、小さなプロジェクトやチーム、個人のプロジェクトではよく利用されています。
他のツールとの連携もスムーズに行うこともできるので、海外も含めて幅広く利用されているツールです。連携がしやすいサービスなので、組織の成長などサイズに合わせて利用できるので拡張性があります。
pivotal tracker(ピボタルトラッカー)
Gitなどと連携することで開発をより可視化してプロジェクト管理できるのが、pivotarl trackerです。ブラウザからGithubを連携することで利用できるサービスです。開発者がマネジメントをやっているプロジェクトではよく用いられています。
開発ツールである、Githubなどと親和性のあるツールになっているので、非エンジニアの方には少し使いにくいツールになっています。
開発者が中心位なっている組織であれば、pivotarl trackerを利用してみる意味はあるでしょう。
jira(ジラ)
jiraはもっとも利用されているプロジェクト管理ツールの一つです。利用は主にブラウザからの利用になります。Saasのプロダクトを多く作っているアトラシアン社が開発しちえるツールで、非常に利用しやすいのも特徴。
jiraの特徴
バーンダウンチャートやもちろん、かんばん方式の機能など幅広い拡張性が人気です。
スクラム方式と呼ばれる、開発タスク・タスクに応じてポイント(工数)を振り分けて、自社のチームがどれだけの開発能力があって、それを週次でこなしていくか、月間でどれくらいになるか、など細かいチームマネジメントが可能になるのが嬉しいところです。
スクラム方式での開発
スクラム開発のメリット
スクラム方式では、ポイント(工数を見積もる)とき、チームの全員がポイントを見積もるためのカードを持って、あらゆるタスクに対して、自分なりの工数を提示します。
納得感を持って仕事ができる
それをすることによって、工数の見積もりに差が出ないようにし、納得感が出てきます。「私から見たらそれはこの時間で終わるのに、なんでこんな見積もりをしているのか?」という疑問はプロジェクトをしているとどこかで出てくる場面があります。
そのような疑問を「どのような理由だから、このような見積もりをしているのか?」、を知っておくことで次回の見積もりをするときに利用することができますし、プロジェクト全体、メンバー個々の仕事に対して納得感が出てきます。
信頼関係で工数を見積もらない
工数見積もりを属人的なものにしないというのがスクラム方式の一つのメリットとも言えます。プロジェクト自体に安定感が出てきますし、信頼関係など曖昧なもので管理する必要がなくなります。
Gantter(ガンター)
ガンターは、名前の通りガントチャートを作成することができるツール・アプリケーションです。ブラウザから利用することができ、グーグルドライブなどとと連携することによって、自分の作ったデータを他の人に共有することもできます。
しかし、ガンターの動作は非常に遅く、エンジニアにとっては非常にストレスのかかるツールになっているので、全体管理としてあまりオススメしません。
ツールを利用する際に遅すぎて逆に時間がもったいないということになりますので、本末転倒ですよ。
エクセルorGoogleスプレッドシートでのプロジェクト管理
エクセルやグーグルスプレッドシートでプロジェクト管理をしているスタートアップや中小企業は多いです。グーグルスプレッドシートは同時編集することが可能ですし、スクリプトを組むことで他のツールとの連携が圧倒的にしやすいのが特徴です。
また、サーバーなどを用意しなくても高機能で、利用できるシーンが非常に多いからです。エクセルでのプロジェクト管理よりも圧倒的に便利ですので、グーグルスプレッドシートで管理することをオススメします!
プロジェクト管理でガントチャートを作ることは意味ある?
経験上プロジェクト管理でガントチャートを作ることは「プロジェクトが開始する初期部分だけあってもいい」程度の温度感になります。
ガントチャートのメリット
ガントチャートは、それぞれのメンバーのアサイン状況をカレンダーのような形で把握することで全体の動きを把握するメリットがあります。長期的な稼働状況を可視化するのは良いですが、細かい進捗管理などには向いていません。
数ヶ月先までの稼働状況を可視化しても、プロジェクトの進行状況や、他のプロジェクトに並行してアサインされる場合など、変動することも多いので、作って満足で終わるケースが少なくないのが、ガントチャートです。
ガントチャートは他に強みのあるツールと統一するべき
ガントチャートだけのツールではなく、それ以外に強みがあるツールに統一する方が良いでしょう。ガントチャートは上記した通り、プロジェクトが進行し始めたときに、リアルタイムで進捗管理をしやすいツール・手法ではありません。
ですから、ガントチャート単体ではなく、他のツールを組み合わせることでプロジェクトを丸っと統一して管理することができます。
プロジェクト管理ツールまとめ
プロジェクト管理はさまざまん方法がありますし、どうやったらプロジェクト管理がうまくいくのか気になりますよね。
プロジェクトマネジメントの成功を定義しておくこと
プロジェクトマネジメントで大切なことは、「プロジェクト・プロダクトが成功するためにすること」です。
プロジェクト・プロダクトがどういう状態になったら成功するのかを定義して、それを予想し、非常に応じて行動をとっていくことが大切です。
何が正しいかなどありません。最終的に実行する必要があります。その組織チームにあっているかなど最初からわからなこともありますからね。
会社の規模、メンバーのスキル、どのようなプロジェクトなのか、どのようなプロダクトなのか、資本はどれくらいあるのか、どこを目指しているのか、それぞれに応じて適したツールを有効活用してプロジェクトを成功に導きましょう。
プロジェクトマネージャーのツール選択
ツールによってはオーバースペックなこともありますし、今それ作らなくてもいいよね?ということを行ってしまっているプロジェクトマネージャーもいます。綺麗に進めていると、帰って開発などプロジェクト全体が遅延することもあるので、本当に必要なことにだけリソースを割くべきです。
ですから、自分たちのチームはどういう方向性でどういう状況に置かれているのか整理して進めると良いでしょう。