どんな会社にも華やかな職種、いわゆる花形と呼ばれる部署があるかと思います。
業界では営業職や技術職が花形部署である会社が多い中で、どの会社にも必ずある部署がバックオフィス系の職種です。
こういった事務方の部署無くしては、会社は成り立たず、縁の下の力持ちという役割を果たします。
今回はそんなバックオフィス系職種の仕事内容や、キャリア構築について説明します。
実際に働いている社員を仮名でご紹介していますので、今後のキャリアの参考にしてください。
バックオフィス系の仕事内容について
営業やエンジニアなどのように目立つような仕事ではありませんが、人事や採用担当者として働いている私ですが、やりがいは意外と多いです。まず何よりも、機能していないと会社や組織がうまく循環しないので、やりがいはすぐに実感できます。
順調なときは目立たない役割にはなりますが、何かトラブルの起きたときや節目ごとにその存在感を発揮できます。
そして信頼や感謝される機会が多くやってくるため、〇〇さんにお願いすればどうにかなるというように、信頼されることもしばしばあります。
ノルマはありませんがプロジェクトの規模も大きく、成果が形に見える時には成長も感じられ、やりがいを感じられます。
しかし、苦労は耐えません。
やりがいもありますが、苦労も多いです。
まず、日常業務は終わりが来ないと思わされてしまいます。
そして事務方の役割は、出来て当たり前、やって当然と思われがちなので、何か間違いや誤りがあれば、周りからの評価が悪くなりやすいです。
また、特徴的なものとして、給与と出世に響きにくい業務成果であることです。
モチベーションを維持するには?
どのようにしてモチベーション維持をしているのかとよく尋ねられます。
感謝の言葉は何よりも目の前の仕事に達成感を与えてくれます。
また、会社の経営を支えている価値観が形成されていきます。
考え方の問題ですが、そこから自信や大きなものの見方に繋がるので、貴重な職場と言えます。
そして、関わる人が一定でなく様々な職種、内部や外部の職場の人がいるので刺激を受けられやすいです。事実、そこから他のキャリアに繋がることも少なくないのです。
このようにモチベーションやキャリアの方向性についてざっくりバックオフィス系のお仕事について説明してきましたが、ここからは具体的にどういうキャリアを歩んでいるのか3人具体例を挙げてご紹介します。
人事・採用・経理などを目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。
人事・採用・経理について自分が向いているのかチェックしてみたいという方はリクナビネクストの「グッドポイント診断」をやってみると自分にどういう強みがあるのかわかりますので、ぜひチェックしてみてください。
実際の社員からバックオフィス系のキャリア構築を考察
人事部労務課のTさん
経歴:入社7年目、役職はまだ無いなので担当レベルです。
入社1年目からずっと人事部労務課に所属しています。
仕事内容は社内規定に従って、従業員に与えられている権利を付与したり、規程を管理したりする仕事です。
従業員が働いていく上で、必要不可欠な業務であり、陰ながら従業員のサポート業務を行っています。
7年目で年収は550万円
年収はおよそ550万円程度です。
キャリアは入社からずっとバックオフィスの事務方を行っているので、今後もその能力を生かせるバックオフィス系の職場を経験していく可能性が高いです。
10年目で優秀ならば、早くて主任クラスに昇格されます。
しかしバックオフィス系の職種で、なおかつ労務課での経験しかないため出世が早いということは稀です。
人事部採用課のSさん
経歴:入社10年目、役職は主任です。
入社は人事部の能力開発課(研修チーム)を5年経験して、営業職を3年勤めました。
本人の希望もあって、バックオフィス系の職種に異動でき、人事部の採用課を2年経験して主任に昇格されています。
10年目で管理をする業務をして600万程度
仕事内容は新卒採用業務と部下の指導、採用課の管理です。年収はおよそ600万円程度です。
キャリアとしてはバックオフィスの人事系業務を評価され、昇格されたので今後、部門が変わるような大きな異動は可能性として低いです。
次の昇格は約10年後でマネージャーに昇格しますが、現部署でも優秀と判断されれば、もっと早くマネージャーに昇格するケースもあります。
経理課のMさん
経歴:入社19年目の女性管理職、役職は副課長(マネージャー)です。
入社から営業、バックオフィス系の経営企画課、主任として経理を経験されてきました。
結婚された後も仕事を続けられています。
仕事内容は経理課としての社内調整事がほとんどです。調整事は主に各部署の予算の調整です。
ミーティングや役員会議にも課長代理として出席するような人材です。
主任への指導、部下とチーム全体の管理も仕事内容です。
19年目で副課長で年収700万円
年収はおよそ700万円程度です。
キャリアは女性管理職として社内でも有名で期待されています。
昇格もバックオフィス系の職種の主任クラスの実情を考えると早めです。
今後は能力や成果次第で課長に昇格する機会が訪れます。
まとめ:バックオフィスでも活躍はできる!
世間的には人事や経理、総務というと、スピードが遅く、価値を産まない組織として見られてきました。
しかし、近年ではこういった組織が積極的に動かないと、会社そのものが前に進まないという特徴もあります。
ヒト・モノ・カネはよく血液に例えられますが、その血液となる組織で働く人間が自身の存在価値に気付いた時、やっとバックオフィスの価値が発揮されるのです。
「やって当たり前」の業務を率なく行うことのむずかしさを、理解している営業マンやエンジニアは少ないですが、経営組織論においては、バックオフィス部門ほど重要な部門は他にありません。