副業・パラレルワークを本気でしたいならサイボウズに!青野社長の書籍から見る未来の働き方と企業のあるべき姿とは

サイボウズという企業を皆さんはご存知だろうか。サイボウズOfficeやサイボウズLive、kintone、Garoonといったグループウェアを主に開発、提供しているIT企業である。「チームあるところに、サイボウズあり」というプロダクトのコンセプトを掲げているほど、チームでの仕事においてグループウェアの重要性を説いている。

サイボウズはグループウェアというプロダクトを提供しているから、チームビルドやチームワークについての様々な取り組み、ユニークな福利厚生を取り入れている。その一つに副業をこれほどまでにオープンにしている企業も少なく、働きやすいとしてエンジニアや社員からの評価が高い企業だ。

今回はサイボウズの社長である青野氏の書籍「チームのことだけ、考えた。」を読んで、未来の働き方を実践しているのはサイボウズにあり!ということを見つけたので抜粋して紹介する。

チームのことだけ、考えた。―――サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか

サイボウズという会社とは

まずは、そもそもサイボウズという会社がどういう会社なのか。

サイボウズ

設立 1997年8月8日
事業内容 グループウェアの開発、販売、運用
資本金 613百万円(2015年12月末時点)
上場証券取引所 東京証券取引所 市場第一部(コード4776)
決算期 毎年12月31日(2012年より)
実績 2015年12月期連結:売上 7,013百万円、経常利益 △338百万円
2015年12月期個別:売上 6,672百万円、経常利益  123百万円
従業員数 464名(2015年12月末 連結)
339名(2015年12月末 単体)

連結子会社
サイボウズ総合研究所株式会社
サイボウズ・ラボ株式会社
才望子信息技術 (上海) 有限公司(サイボウズ中国)
Cybozu Vietnam Co., Ltd.(サイボウズベトナム)
サイボウズコーポレーション(サイボウズU.S.)

様々な受賞歴

サイボウズ

2016年、働きがいのある企業ランキング100~500人の従業員数部門で第3位となっていて、クライアントからも従業員からも評価の高い会社となっている。

主なサイボウズの制度

フレキシブルな働き方が注目されているサイボウズであるが、実際にどのような制度があるのか。

育児・介護休暇制度(2006年~)

最長6年間の育児・介護休暇制度。育児休暇については、男女問わず、子の小学校入学時まで取得が可能。

選択型人事制度(2007年~)

社員が、ライフスタイルの変化に合わせて働き方を選択できる制度。
育児、介護に限らず通学や健康など個人の事情に応じて、勤務時間を決めることができる。
現在は、9種類から働き方を選択。

在宅勤務制度(2010年~)

当初は月4回という制限がありましたが、2012年8月より下記「ウルトラワーク」制度を開始したため回数や場所の制限はなし。

育自分休暇制度(2012年~)

35歳以下で、転職や留学等、環境を変えて自分を成長させるために退職する人が対象。最長6年間は復帰が可能。

ウルトラワーク(2012年~)

雇用契約書に定められた時間、場所と異なる働き方を、“単発で”することをウルトラワークと定義。従来の在宅勤務、時差出勤を含む。「チーム」「個人」両方の「生産性向上」を目的に実施。

副業許可(2012年~)

原則として業務にマイナスとなるもの以外は、副業が可能。

 

ここまでユニークな制度は、実は元々28%程度あった離職率を5%まで下げたという実績がある。長く働くというところを目標にしていたわけではなく、人が働きやすい環境を作ったら伸びていったという本質的な考えだ。

耳障りの良い制度や、短期的なインセンティブだけでは人は長期的にはついてこないし、せっかくのノウハウも退職して他の企業に持って行かれてしまっては困る。

サイボウズはグループウェアのプロダクトを作っているだけあって、「人の事だけ考えた」という書籍の内容がしっくりくるデータになっている。

サイボウズの青野社長のキャラクターと売り上げ構成

決算資料に面白い言葉が書かれていたので、こちらでもご紹介。
様々な投資家がいる中で、このような発言をできるのは日本の経営者でもあまり見た事がない。書籍でも包み隠さないというキャラクターではあるが、メディアでもその通りに答えていて一貫性があり、社員からも信頼されるのかもしれない。

サイボウズ

売り上げの構造としても、クラウドのソフトウェアサービスとパッケージソフトのバランスがよく、これからの時代のクラウド型のサービスを成長させることによって、企業としてさらに一つ上を目指しているようだ。クラウド型のソフトウェアだと、テキストを多言語化することによって海外市場にも挑戦できるという点が大きい。

サイボウズ

 

一時期は様々な企業買収によって連結の売り上げを伸ばしていたが、主力のグループウェア、チームのコミュニケーションや業務に関わるプロダクトを磨きあげることによって再び成長し始めたサイボウズ。

 

サイボウズという会社をお勧めしたい人

サイボウズという会社をお勧めしたい人はこういう人だというところを説明していきたい。

・これから転職を考えている方
・就職の時点でボランティアと仕事を両立したい
・自分も独立して会社を持っていてかつ、サイボウズにも勤めていきたい
・育児制度が整った会社で働きたい
・未来の働き方を学びたい

サイボウズという会社に合わない人はなかなかいないのではないだろうか。
リクルートも全社員にリモートワークを可能にするというニュースで話題になったが、サイボウズはリクルートのような巨大な規模ではないにしても、上場企業でありながら挑戦的な制度を取り入れていく前向きな企業ということで好感が持てる。

 

株式会社リクルートホールディングス(本社:東京都千代田区 代表取締役社長 兼 CEO:峰岸真澄)は、2016年1月より、雇用形態にかかわらず全ての従業員を対象とした、上限日数のないリモートワークを本格導入いたします。会社間の同意および本人の希望があった場合には、派遣社員もリモートワークを選択可能としています。

ダイバーシティが進むなか、多様な働き方の選択肢を増やし、従業員一人ひとりの能力が最大限に発揮される環境を整え、新しい価値の創造を目指します。

出典:http://www.recruit.jp/news_data/release/2015/1224_16416.html

サイボウズの制度や文化について

ここからは書籍に書かれている制度や文化についてより詳細にピックアップしていきたい。
制度や文化が詳しく知りたいという方や、参考にしたいという方は書籍をぜひ購入してみて読んでいただければと幸い。

採用する社員について

退職率が28%もあったサイボウズの離職率が5%と激減した。
サイボウズの採用の場合は、開発しているプロダクトが「世界中のチームワーク工場に貢献するという共通の理想のもとに働いているので、スキルが高くても理念に合わない人は採用していないようだ。

 

 

サイボウズ

 

週4日サイボウズに出社すればいいという副業制度

ROHTOやリクルート、エンファクトリーなどのように副業制度を認めている企業が増えている中、サイボウズでは週4日で1日は別の企業で働いたり、独立して自分で会社をやっている人もいるようだ。このような働き方を容認できているのはなぜか。

在宅を許してしまうと内勤している人からの文句や、ダレてきてしまうのではないかという心配の声もあったそうだが、リモートや副業をすることによって、短期間で成果を出すという認識になったようだ。

万が一それで成果が下がってきたとしても、給料を下げれば問題ないので、この仕組みがワークしている。

エンファクトリーについてはこちらで取材させていただいたものが詳しくまとめているので、こちらも合わせてどうぞ。

 

サイボウズ

 

 

さらに副業制度の延長で独立する人も支援しているというから驚きだ。
確かに同じIT企業であれば、狭い世界なので協業することもあり得る話。
しかも元々会社にいた人であれば、サイボウズの強み、弱み、足りていないものがわかっているはずだ。そうなってくると何か組めることがあれば組んだ方が早いという合理的な判断ではないだろうか。
サイボウズ

成果主義や360度評価はダメだったので給与は市場性で判断

どこの企業でも評価制度というのは難しい。納得感のある評価制度を作って、社員のモチベーションを上げつつ企業としての売り上げや利益を伸ばしていきたい。しかし、公平性のある評価制度はサイボウズでは難しいと考えたようだ。

公平性ではなく大事なのは、メンバーがミッションに向かって毎日楽しく働くこと
そこで個人目標などの達成や成長したが故に市場性が高まるのであれば、優秀な人には残って欲しいのでそれだけの条件を提示する。

他の企業ではこれくらいもらえるのだが、と提案できる人になって欲しいようだ。

サイボウズ

確かに成果主義というのは、そのビジネスの時流にもよるし、エンジニアと営業で、プロダクトをどちらも開発して伸ばしているという点では変わりがないが、どこかでどちらかが優位になってしまうことがある。

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転職したいけど、どうしようと悩んでいる方は市場性について考えてみてみると良いかもしれない。複数の企業やポジションで自分が今いくらだと判断されているのか。

市場性というのは抽象的ではあるが、複数の掛け合わせを用いることでより具体的になっていく。

サイボウズで働き続けたいと言ってくれる状態が理想

市場性を上げるためには、そういう技術なり将来求められているような働き方をしていかなければならない。また、市場価値を上げるような取り組みをしている人は、ある程度成果も残し、給与は上がりやすくなる。

そして、いつでも転職できる状態になる。それなのにサイボウズで働きたいと言ってくれるということはそれだけサイボウズに残る意味があると本心から考えてくれているということ。

青野氏がいうように、これからの時代は流動性がさらに高まる。
企業の中にいる個人でも、簡単に会社を作り、他の会社にいる人とプロジェクト感覚で行っていくことが当たり前になる。

適正な給与を一つの会社だけで判断するのは難しいのと、個人が会社に求める報酬が高くなっていくからだ。だからサイボウズはそれぞれの問題を解決するために、副業制度などを設けている。全てが理にかなっており、未来の働き方を見据えている

未来というより現実に起こっているのだが、多くの企業では何かを言い訳にして実現できていないとも言える。

サイボウズ

企業の人事・採用担当者は未来の働き方を考えるべき

私たちのようにパラレルキャリアを実践している人が今後は確実に増えてきて、副業を認めない会社にいる意味が見出せなくなることは間違いない。やはり人間は理想に向かって生きるのであるから、たとえ給料が落ちたとしても副業を認める会社で自由に働くことで、確実に年収も増えていくし、精神的にもストレスがない。

一つの企業で居続ける意味が今回のサイボウズのようにあるのか、それとも社員の成長を促すだけのステージやキャリア、働きやすい環境を用意できないのかというシンプルな話だ。

もう企業側がそういうものを用意できないという構造がわかり始めているのと同時に、自分たちで手軽に始められるフリーランスに嬉しいサービスが増えてきている。そういう状況の中、どうやって優秀な人を確保して、そして残ってもらうのか。

企業も変革の時期にきていると思うし、変化しなければならないのではないだろうか。

チームのことだけ、考えた。―――サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか

今回の青野氏の書籍を読んで、これほどまでに透明性のある会社を始めてみたというのと、この本を読んでサイボウズのことを好きにならない人がいないという位には人のことを本気で考えてくれている会社だと改めて考えるようになった。

企業の中で、キャリアコンサルタントと呼ばれるような人がいる企業も少なくはない。
彼らは人を異動させたり、最適配置することによって、プロジェクトが成長することを目的としている。そして、彼らの評価となる業績変動までに時間がかかるために評価がしにくい。つまり、彼らは「不満がある会社の中の人」のキャリアに本質的には興味がない。

サイボウズの特別ドラマが面白い

オダギリジョーや田中圭などの有名俳優を使ったワークスタイルについて考えさせられるドラマをオリジナルでサイボウズは作っている。こういうところが、しっかりチームや人のことを考えてくれているのだというのが伝わってくる。ますますサイボウズを好きになってしまいそうだ。

人は仕事をしていかなければ生きてはいけないが、結婚したり、子供を産んだりして育てていくのもまた人生だ。人生に寄り添ってくれるのがサイボウズなのかもしれない。

サイボウズが好かれる意味

サイボウズ・青野氏のように本気で向き合って、人の不満を解消していく、人がやりやすいのはどういうことなのかを突き詰めていってくれるという信頼で成り立っている会社は将来的にも社員から好かれる会社なのではないだろうか。

様々な働き方が実現できる昨今において、キャリアや人と向き合うことができない会社からは優秀な人材は立ち去り、自分たちで行動を行っていくようになるだろう。

 

サイボウズに転職したくなった、副業や福利厚生が充実している会社への転職を考えているという方は、こちらにおすすめの転職サイトをまとめてありますので、
こちらも合わせてチェックしてみてください。

これからフリーランスでエンジニアとして働いていていきたいという方、
家事や育児の間にお金を稼ぎたいけど、単価が安いので高めていきたいという方にはこちらも合わせてどうぞ。
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