会社で働いていると、経歴や年次、年齢に関係なく、リーダーシップがある人を見かけます。
採用・人事という仕事柄、こういったリーダーシップの取れる人材の見極めに注力しているので、今日は、自社内でリーダーシップのある人材を参考に解説していきたいと思います。
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リーダーシップの定義とは?
よく使うリーダーシップというキーワードですが、広辞苑では「リーダー」を「指導者。先駆者。先達。首領。」と説明し、「リーダーシップ」を「1.指導者たる地位または任務。指導権。2.指導者としての資質・能力・力量。統率力。」としています。
つまり、私の解釈では、「リーダー」は存在するが、必ずしも「リーダーシップ」を取れる訳ではないと考えています。
リーダーシップとは2にあるように能力や資質を指すのです。
例え、社会人の年次が10年目で主任(リーダー)クラスとなっても、指導者たるべき行動や振る舞いができていないケースがありますよね?それは年功序列などによってそのまま年齢で上に上がってしまった人がそのままリーダーシップがあるかは別なのです。
逆に入社5年目でも、先輩や後輩を上手に誘導し、主導権を握っている方もいます。
この差が何かではなく、先輩も後輩も関係なく統率できる人材の特徴を、紹介していきたいと思います。
ケース1 : 先輩、後輩含め計7名を動かす、入社4年目。
営業部門にて、全国の売上結果や市場動向を調査するマーケティング部に所属する佐藤さんは入社4年目。
1年目のときは地方営業マンとして駆け回っていたが、そのリーダーシップが買われ、今ではマーケティングを業務にしています。
佐藤さんの周りには入社5年目、6年目、9年目、12年目と先輩が4名おり、事務スタッフは派遣スタッフ含め3名います。
この計7名に的確な指示を出し、各人の動きを把握しながら仕事を進めているのが佐藤さんです。
リーダーシップのパターン1:「行動力があること」「バイタリティがあること」「目的を見失わないこと」
佐藤さんの特徴は「行動力があること」「バイタリティがあること」「目的を見失わないこと」の3点です。
・「行動力がある」 →他部門との折衝や対峙する際に、積極的に自身の意見を述べて、フットワーク軽く躊躇しない。
・「バイタリティがある」→欲しい情報を得るために、協力する姿勢を前面に押し出すことができる。
・「目的を見失わない」 →グループとしての目的を第一目標とするので、行動や指示にブレがないのです。
ケース2 : 異動して1ヶ月で、部下を統率する力
入社20年目のマネージャー井上さんは、総務部から異動し、現在は経理部に来て1ヶ月目。
既に部下からの信頼が厚く、各人の行動を把握しながら指示を出しています。普通は異動してなかなか慣れない状態なのに、さすが20年目の井上さんはそこの動きがかなり早いのです。
部下は主任クラスを含め12名です。
リーダーシップのパターン2:「課題解決のための行動」、積極的なコミュニケーション
井上さんがここまで早くリーダーシップを発揮し、周りを統率できた要因は2つあると考えます。
1つ目は「経験を持って行動」するのではなく「課題解決のための行動」を部下に示したこと。
2つ目は「自身の考えや意見を知ってもらうため、積極的にコミュニケーションを取ったこと」です。
課題解決のための行動
・「課題解決のための行動」→部下達が作成した資料をチーム内で共有せず、重複した資料を作成している問題に対して、いち早く問題点を察知し、情報共有を重んじなかった悪しき慣習を思い切って捨てるよう、指示を出した点が部下にいい影響を与え、行動に表すリーダーシップが発揮されました。
コミュニケーションを取る
・「コミュニケーションを取る」→12名の考えや行動を把握するため、過去に作り上げた功績や仕事内容を部下の口から聴くよう心掛けたり、あだ名やニックネームを積極的に使うことで距離を縮めるなど、上司に対して質問や意見をしにくい雰囲気をなくすことに、井上さんはこだわりました。
ケース3 : 海外法人からの帰国で部長になった小林さん
入社32年目の小林さんは米国支社で社長を経験し、帰国後、営業部の部長として活躍されています。
運よく、将来的には会社役員になることがほぼ決まっているような、いわゆるエリートコースのマネージャーです。
リーダーシップのパターン3: 「圧倒的なスピード」「部下を指導する姿勢」「問題解決のアプローチ」
そんな小林さんの特徴は「圧倒的なスピード」「部下を指導する姿勢」「問題解決のアプローチ」の3点です。
圧倒的なスピード
・「圧倒的なスピード」 →時は金なりという言葉通り、とりあえず仕事が早いことで有名です。ただ早いだけでなく周りに仕事を上手に振るという能力が高いのです。仕事が早い人の特徴ですが、自分だけで仕事を抱え込まずに適切に周りに仕事を振ることで、仕事を終わらせます。
一人でできる規模は小さいですが、チームワークを意識した働き方ができる人は仕事もできますし、大きな成果を残すことがわかります。
部下を指導する姿勢
・「部下を指導する姿勢」 →小林さんの部下は300名ほどいますが、ほぼ全員の業務内容が頭に入っています。帰任後最初に行ったのは、どの仕事がどの担当者に割り振られているかを把握することからでした。
人のキャリアや仕事を把握するところから、どこに問題が起こっているのかを把握して早く解決していくという一連の流れに無駄がありません。逆にここの問題発見が遅れてしまうと次に行う問題解決が遅れていきます。
仕事ができるという人は問題発見のスピードが人より早いというのも特徴的ですね。
問題解決のアプローチ
・「問題解決のアプローチ」→マネジメントブックや経営手法などは、本で学ぶことができますが、なかなか実践するのは難しいです。小林さんクラスのマネージャーは自ずとその発想で問題解決をしており、この発想は恐らく日々の努力の賜物ですね。
まとめ:能力やスキルだけじゃない
リーダーシップを観点に3名をまとめると、以下のような共通点があります。
・決して飛びぬけた才能やスキルを持っているわけではないが、その人のバックグラウンドや経験によって生み出される能力部分と、そもそもの物の考え方や価値観、人間性が大きく影響している能力部分があります。
・決して攻略本がある訳ではないので、実際に置かれている状況をいかに俯瞰し、客観的に判断できるかが大切になっています。
・リーダーシップを取る人物に従う人は、その人の一挙手一投足を見ているはずなので、常に自分本位にならずチームやグループ、もっと言えば会社としての目的を達成するための行動を心がけることをしています。
こういった点から自ずと、人はリーダーシップを取った行動に変わっていくのかもしれませんね。
こういったリーダーシップのある人は年収がどんどん上がっていき、30歳前後で1000万円を超えることは少なくありませんが、逆に年収が低いという人はどういう人なのかこちらにご紹介していますので、合わせてどうぞ。
また、年収を上げるためには上記してきた方のように成果をあげてマネージャーになることが大事です。しかし会社によってはなかなか昇格が見込めない、成功するような事業に配属されていないので評価されないなどたくさんの問題があるかと思います。
異動ができるような会社なら良いですが、なかなかそうもいかないのが現実です。
こちらでは年収が上がりやすい転職サイト、転職エージェントを転職経験者のデータをもとにまとめてみましたので、
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