自分の位置情報を頼りに、タクシーをスマートフォンで簡単に呼ぶことができるサービスである「Uber」。海外のUberではタクシーの乗り合いもできるようなサービスや機能もついており、「シェア」の概念が変わってきている。
旅行・観光業界では、「airbnb」というサービスがシェアリングエコノミーサービスの筆頭として全世界で注目されている。airbnbは、自分の家を貸し出したり、人の家を借りられる「家をシェアする」サービスだ。
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airbnbとは
ホテルや旅館では得られない新しい場所に宿泊できる点や、その家のオーナーとも繋がることができ、新しいコミュニティが生まれているという点で新しく、191カ国で利用されている成長著しいサービスだ。
airbnbは、わざわざホテルや旅館などに宿泊せず、airbnbに登録しているユーザーの人の家を借りることによって予算を抑えたり、ホテルがないような場所にある、別荘を持っている人の家に宿泊したい場合にも使うことができる。
様々な利用シーンがあり、「家をシェアする」というこれまでになかった人の考え方や概念が変化してきたことによってサービスが拡大してきている。
「人の生活・ライフスタイルの変化」
「人の生活・ライフスタイルの変化」がシェア型のサービスの背景にある。人の考え方が急に変化したわけではなく、徐々に変化しているのだ。
シェアリングエコノミーには、「どういうサービスがあるのか」、「なぜ注目されているのか」、「日本ではどうなっていくのか」について今注目されているシェアリングエコノミー業界についてご紹介したい。
シェアリングエコノミーとは
「シェアリング・エコノミー」とは、典型的には個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の貸出しを仲介するサービスであり、貸主は遊休資産の活用による収入、借主は所有することなく利用ができるというメリットがある。
貸し借りが成立するためには信頼関係の担保が必要であるが、そのために多くのサービスではfacebookなどのソーシャルメディアの特性である情報交換に基づく緩やかなコミュニティと信頼を担保するという側面を活用し、拡大している。シェアリング・エコノミーはシリコンバレーを起点にグローバルに成長してきた。PwCによると、2013年に約150億ドルの市場規模が2025年には約3,350億ドル規模に成長する見込みである。
日本でシェアリングエコノミーの事業やシェア型の社会・インフラ構築を推進する「シェアリングエコノミー協会」という協会がある。
シェアリングエコノミー協会の代表理事には、株式会社ガイアックスの上田祐司氏が就いており、その上田氏が率いる株式会社ガイアックスでも3つのシェアリングエコノミー事業を行っており、積極的にシェアリングエコノミーの文化やインフラを整備するように動いている。
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シェアリングエコノミーが日本で重要になるワケ
2020年に東京でオリンピックが開かれる。オリンピックの開催に向けて外国人観光客を取り込もうと「民泊」のビジネスも非常に盛り上がってきている。しかし、2020年に政府目標で2000万人の訪日外国人数としているが、ホテル不足、タクシーの混雑や不足が懸念されているのが現状だ。
政府の力だけでなく民間企業から、特にサービス開発によって多くの負をスピードを持って解決できるインターネット事業者からシェアリングエコノミーを盛り上げる必要があるのだ。
東京でのホテル不足の解消
民泊もシェアリングエコノミーの一つである。冒頭で紹介したサービスのAirbnbは、「人の家を貸し借りできるという点」で民泊ができるサービスだ。
日本では宿泊系のサービスだけに限らず、「シェアすることによって固定費を抑えたり、無駄なものを持たない」という思想があるairbnbのようなサービスが求められている。車を簡単にシェアするサービス(シェアリングカー)として、「タイムズカー」というサービスが日本にもあるが、その他にもシェアリングエコノミーによって解決できる問題があるのではないだろうか。
ホテル不足などの負を解決する手段として、シェアリングエコノミーに関連するビジネスや事業に期待が寄せられており、オリンピックだけでなくその後の日本経済の発展を担う一つの大きな流れとしてシェアリングエコノミーが注目されている。
シェアリングエコノミー協会のホームページには次のように書かれており、これからのシェアリングエコノミー業界の市場の伸びが分かる。
シェアリングエコノミーの市場規模
2014年度の国内シェアリングエコノミー市場規模(サービス提供事業者の売上高ベース)は、前年度比134.7%の232億7600万円であり、その勢いは益々加速しています。※矢野経済研究所調べ
たとえば、誰も住んでおらず活用されることのない空き家は総住宅数の約15%、約10000戸にのぼり、自動車の利用率は5%程度で年に20日程度しか利用されていないというデータがあります。これらは氷山の一角であり、日本には眠ってしまっている様々な遊休資産があります。
民泊の市場の伸びを見て、多くの不動産系の事業者が動き出している。マンションを民泊用の施設にリノベーションしたり、「airbnb用に自宅をリノベーションしたい」というニーズも出てきており、今後もこの流れは加速していきそうだ。
シェアリングエコノミーサービスの一覧
ここからは今注目されているシェアリングエコノミービジネスのサービスを一覧でご紹介。
Airbnb
Airbnb(「エアビーアンドビー」2008年8月創業、本社・カリフォルニア州サンフランシスコ)は、世界中のユニークな宿泊施設をネットや携帯やタブレットで掲載・発見・予約できる信頼性の高いコミュニティー・マーケットプレイス。
アパートを1泊でも、お城を1週間でも、ヴィラを1ヶ月でも、あらゆる価格帯で世界191ヶ国34,000以上の都市で人と人とをつなぎ、ユニークな旅行体験できます。Airbnbは、世界一流のカスタマーサービス、成長中のユーザーコミュニティを抱えており、収入を得たいという方は、空き部屋を世界数百万人に披露することができます。
海外旅行にいく際にも利用できますし、国内でどこかに気軽に行ってみたいという時にもホテルではなくairbnbに掲載されている場所に泊まるという流れが徐々にできてきています。
ひと昔前までは「人の家をシェアするなんて、自分の家をシェアするなんてありえない」という考え方だったのが今となっては「airbnb」で気軽に旅行して、良い景色の家を探そうという考え方に変化しているのが面白いところ。
公式サイト:https://www.airbnb.jp/
カーシェアリングならタイムズカー
車を持たない・持つことが少なくなってきた社会の中で需要が高まってきているのが、カーシェアリングのサービス「タイムズカー」。コインパーキングを主な事業で行っているパーク24社が手がけるサービス。
タイムズカーの料金・特徴
プランは個人プラン、家族プラン、学生プラン、法人プランの4つに分かれている。
●学生プランと法人プランは月額基本料金が0円、個人でも月額1,030円から利用可能
●一部レンタカーよりも安くなる可能性がある
基本的な料金パックは下記のようになっており、24時間利用しても8,000円台で利用できるのは、レンタカーの種類によってはレンタカーよりも安く済むのだ。
12時間パック 6,690円
24時間パック8,230円
●駐車場が 「最寄タイムズ検索」によって簡単に検索できる
利用中に、クルマを停めたいときに、「最寄タイムズ検索」から、お近くのタイムズを検索。空き状況も表示されるので、迷うことなく駐車場を見つけられます!
●スマートフォンアプリで空車状況を管理しいつでも利用可能
従来車をレンタルする場合、面倒な手続きが必要だったが、タイムズカーによって、スマートフォンで管理して簡単に車を利用できる環境が整ってきた。「車でどこかに行きたいな」と思ったときに心理的なハードルが下がり、「車を少しでもいいから利用したい」というケースには最適なサービスだ。
公式サイト:タイムズカープラス
シェアリングエコノミーで保険などは大丈夫なのか?
タイムズカーやairbnbのサイトに詳細な保険の情報などが書かれているので、サービスを利用する際は一度利用規約やルールなどを細かくチェックしておくことをお勧めする。特にairbnbのように人の家を貸し借りするわけなので、そこには配慮が必要となる。
airbnbでは民泊・普通の家を共有していることで、マンションや一戸建ての家を共有することになります。特にマンションであれば他の住民も周りに住んでいるので迷惑をかけると住民の迷惑になる。そんな中、日本にきている外人がお酒を飲んで騒いているということがあって、「近隣住民などに迷惑をかけないか」などの問題も起きているようなので、利用するときには注意が必要だ。
さいごに:シェアリングエコノミーは成長市場
海外のスタートアップや大企業を含めて多くの企業がシェアリングエコノミー市場に参入してきている。ソーシャルメディアが一般的になり、人はコンテンツや自分の生活、持ち物を他の人と共有するのが一般的になった。
今までにはない考え方でなので、普及するまで時間を要するかと思われていたが、シェアという概念が急速に広がっている。
シェアリングエコノミーのポイントを整理すると主に二つになる。
シェアリングエコノミーによって個人の所有の概念が変化
資本主義で、お金や資本を持つことによって何かプロダクトを「所有する」ということに価値を感じる人が少なくなったのか、ブランド品などを購入してもメルカリなどのフリマアプリによって、すぐに個人が個人に販売する世の中にもなっている。
体験型コンテンツに人が流れている
所有の概念やそれに対する人の考え方が変化することにより、長期的に何かを所有する意味がなくなる。誰かと共有した方が個人で支払う固定費が下がり、体験もできるという世界になってきているので、シェアリングエコノミーのサービスが求められていることもうなずける。
体験型コンテンツを誰かと「シェア」して楽しむというのが昨今の夏フェスの盛り上がりを見ているとよくわかる。日本の中でも著名なフェスである「FUJI ROCK FESTIVAL フジロックフェスティバル」では、2015年についに4,200万人を突破しているほどだ。単純に夏のコンテンツとしての楽しみというだけでなく、誰かと体験を共有して、さらにそれをインスタグラムやfacebookで共有するという世界なのだ。
その写真や映像を見た人が、さらに他の人を巻き込んでいくことで、フェスを知らなかった人でも「フェスの雰囲気に入りやすく、楽しみやすい」。そうやって体験型コンテンツ・シェア市場が拡大していくのが、フェスビジネスから見て取れるのではないだろうか。
シェアリングエコノミーは体験型のコンテンツとの相性が高く、フェスの伸びをみていると、「この市場がどのように変化していくのか」、「人の考え方や行動がどのようになっていくのか」、これからシェアリングエコノミービジネスから目が離せない。
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