転職のときに必要な退職理由や履歴書の書き方のコンセプトと具体例

転職をしたいと考えたら、履歴書や職務経歴書を書く必要があります。その際によく苦労するポイントになるのが退職理由の書き方です。人によって本当の理由は様々ですが、伝え方次第で採用の可否が変わる可能性も考えられます。履歴書の書き方そのものも押さえつつ、どのようにして退職理由を記載したら良いかを考えておきましょう。

基本的な履歴書の書き方

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退職理由について考える前に、まずは履歴書の書き方の基本を理解しておきましょう。履歴書はフォーマットが志望先の企業によって定められている場合もありますが、指定がない場合がほとんどです。

JIS規格の履歴書

特にこだわりがない場合には、JIS規格の履歴書のフォーマットを使って用意するのが無難と言えます。氏名や生年月日、連絡先などを記入した後、学歴と職歴を記入します。

転職のときには通常は高校卒業から学歴を書き始め、入学や卒業、中退などの節目の年月とその詳細を正しく記載するのが基本となります。

職歴の書き方

そして、最終学歴を書き終えたら職歴です。入社と退社の年月と詳細を記載します。続いて、資格と免許の欄には保有している資格や免許の取得年月と内容を記載します。そして、JIS規格の場合には通勤時間、扶養家族数、配偶者、配偶者の扶養義務について記入するフォーマットになっています。転居して通勤する予定であれば通勤時間は未定で問題ありません。

志望の動機などの欄の書き方のコンセプト

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履歴書には志望の動機や特技、趣味、アピールポイントなどを記入する欄があります。JIS規格の場合には退職理由について書く欄は設けられていませんので、この欄に記入するのが一般的です。

退職理由は簡潔に

フォーマットによっては退職理由が一つの欄として設けられているため、そちらに短く簡潔にまとめて記入することになります。この記入欄の書き方の基本は、いかに自分がその企業で役に立つ人材かを理解してもらえる記載内容にすることです。退職理由については必ずしも詳しく記載する必要はありません。

ワークライフバランスなど言えることは言っておく

今まで残業が多く、ワークライフバランスを重視できる職場を探して御社を志望しているというのでは、あまり仕事に熱心な人ではないという認識を持たれてしまう可能性があります。

実力に見合った給与をもらえていないと考えて転職を決意したという記述でも、ただお金が目的で働きたいと考えている人と捉えられ、企業の成長や事業の発展に寄与してくれるかどうかわかりにくいと判断されてしまいます。

ただし、自分が言っておかないとけないことは言っておくようにした方が良いでしょう。無理して頑張っても長続きしませんので、合う会社に就職することをオススメします。

退職理由を書くときのポイント

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退職理由をうまく活用すると、志望の動機などの欄を記入できる場合もあります。それが志望先の企業で自分が大きく貢献できる理由に直結する場合です。

自分は特別なスキルを持っているが、前の職場ではそれを評価してくれず、本領を発揮できる仕事ができなかったという退職理由を挙げ、志望先の企業でどのようにそのスキルが役立てられるかを伝えるのは効果的になります。

キャリアアップの退職理由

例文として、次のようなものはキャリアアップ目的の退職であっても率直に退職理由を伝えることが可能です。

・私は学術界に明るく、大学や研究施設への営業を前職では行ってきました。しかし、経営方針が変更になって社外交渉において学術界をあまり重視しなくなったため、活躍の機会を得ることができなくなりました。貴社では積極的な産学連携に取り組んでいるとお聞きしています。今までの経験や人脈を生かして、新たな共同研究の立案や既存のプロジェクトの円滑な進行のために寄与できると考えています。

出産・育児などやむを得ない理由は率直な退職理由に

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退職理由がやむを得ないと誰もが考えるようなものであれば、率直に記載しても問題ありません。夫の転勤によって退職することになったというのは典型例です。

出産や育児のために退職して復職先を探しているというケースも特に包み隠す必要はないでしょう。また、勤めていた会社が倒産してしまったというケースも、その通りに記載しても悪く捉えられることはありません。このようなケースでの例文は次のようになります。

転勤・育児はやむをえない

・夫が転勤になった影響で引っ越しが必要になったのが退職した理由です。今まで商品開発に携わってきたキャリアを生かして、御社で新しい事業の展開に役立つ企画提案を行えると考えています。
・育児に専念するために前の職場を退職しました。子供が成長してきて仕事に専念する時間を十分に確保できるようになりましたので、ブランクはありますが現場で培ってきた専門のスキルを生かして働きたいと考え、御社を希望しています。

本人希望記入欄の書き方のコンセプト

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退職理由が給与が少ないことや残業が多かったことというケースもしばしばあります。これを退職理由や志望理由として直接触れてしまうのは印象を悪くしがちです。しかし、その点で満足できるようにしたいという気持ちを持って志望するときには、巧妙にその意図を伝えることも可能です。

本人希望記入欄が履歴書にあるのが一般的ですから、ここに記入しておくことはできます。通常は本人希望記入欄は希望している職種について触れたり、社員寮などの利用を希望したいときに記入しますが、どんな希望でも記入しておけば考慮してもらうことが可能です。

家庭の都合など給与面・働ける日数・時間は細かく

家庭の都合により残業が少ない職種を希望する、前職の年収が500万円であったことを考慮してほしいといった記載をするのは大きな問題は生みません。具体的に残業は月に何時間以下、給与は何万円といった形で記載するよりは印象を悪くしにくい方法ですから、残業や給与で転職後に不満を持たないように記載しておくのも良いでしょう。

退職理由と本人希望記入欄の例 “他にもいくつかの例文を見ておくと、具体的にどのように記載したら良いかがわかります。退職理由を記載するときの例文として挙げられるのが次の通りです。

経験はわかりやすく、細かくアピールする

・前職では勤務条件が厳しい中で効率良く仕事を行う方法を常に考えて働いてきました。それでも残業が多くて苦労してきましたが、この経験を生かしてスピード感のある仕事を行っていきたいと考えています。

・前職ではチームプロジェクトが多く、リーダーと他のメンバーの間に立ってマネジメントに携わってきました。上司の意向を理解しつつ、他のメンバーの長所を生かしてプロジェクトを進める力を身につけてきています。この力を生かして貴社のプロジェクトを適切にマネジメントできるように貢献していきたいと考えています。

また、本人希望記入欄の記入例は次のようになります。
前職では営業職で活躍してきました。その経験を生かせる営業職や管理職を希望します。その他処遇については、貴社規定に従います。