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MERYとDeNA Palleteについて
女性向けのキュレーションメディアで、月間2000万人程度に読まれている。Web業界では珍しく、Webサービスからの創刊を可能にしたメディアとなった。
雑誌では、MERYのマーケティングデータを用いることで雑誌に反映している。
雑誌の企画や構成などもマーケティングデータをもとに行っている。
DeNAの他のiemoなどのキュレーション媒体もWebだけに限らず他の媒体にも進出している。他社のキュレーションメディアにはないリアルな取り組みを進めている。
DeNA Paletteを支えるビジョン
ライタープラットフォームとライターコミュニティが存在している。
大手の案件にキャスティングされるなど、クリエイターとして成長できる日本一のライタープラットフォームだ。
ライターの人が成長して、お金を稼げるようなモデル作りをパレットでは行っている。
これは他社のキュレーションメディアにはないライターや編集者に優しい取り組みになっている。
NYLONの戸川さんとコンテンツメーカー朽木さんによるトークセッション
どういった経緯で編集をやるとことになったのか
戸川:自分で色々なバイトをやってみた。30種類くらいのバイトをやってみたのだけど、
編集が一番モテそう、稼げそうという理由でバイトをしてみた。
雑誌でいうとモーターマガジンという車雑誌からバイトを2年半くらいやった。
— 車の雑誌から、ファッション誌になったのはどういう経緯があったのか。
戸川:編集をやりたかったわけではないけど、たまたまこうなった。
まさか、当時はこんなにITも普及してなかった。当時は、編集の会社といえばかなり男臭い環境になっていた。その当時はまだ部屋でもタバコも吸えたので、男ばっかのところにいた。
朽木:ライターとか編集とかの区別がない感じからはじめた。
ライターというものに漠然と憧れがあって、東京の会社でライターをすることになるとは
思ってなかった。当時はWebライターというのも地方だと難しいと思っていた。
小学館のデジタルコンテンツに書かせてもらったのが一番最初のライター経験になった。
当時は作家になりたいと思ってやっていた。途中で作家になれないと思ったけど、
面白かったので続けていた。
— 大学の医学部だと聞いたけど
朽木:元々大学の医学部だったけど、ものを書いて生きていくというのに憧れがあったので、
今に至っている感じになっています。
— 編集者・ライターって文系?理系?
ライターはどちらかというと文系の方がスキルがあると思っていますが、どう思いますか?
朽木:記事を書く時にターゲット、メディア、クライアントという構造がある。読者に対してどういうものを提供するかというところで、論理立てて作らなければならないので、文系・理系というのはないけど、元々理系なので理系としての力は生きているかもしれません。
戸川:学校は文系だったけど、文系の授業が嫌いだった。社会の授業には特にでていないくて、物理とかが大好きだった。
大学は理数系の大学はモテなそうと思って、文系の大学にいった。
— 一同 (笑)
ものを書くのに当たって、デザインを求めることはあんまりなくなったけど、
本当は文字面が好きだったり、言葉の途中で改行されたりするのが嫌いだったり
それくらいデザイン的なところが好きだった。
朽木:今はデバイスも違うのでそういうのもなくなってしまいましたね。
編集者やライターに必要な素質とは
朽木:美学の問題だと思っています。美学というのが、言葉でいえる基準がないと思う。
この記事がいいというのがないと思っている。もちろん自分の中で理想がないといけないですが、でないと判断できないと思う。
Webからライターを始めて、紙のお仕事ももらえるようになってきたけど、
Webの中で面白いものが、紙の中のルールで面白いとは限らないですよね。
Webの中で面白いというものすらもないと何がいいのかわからない。
— 何が面白いか言語化しないと再現性がないと思うのですが、どうですか
朽木:言語化した方がいいと思うけど、言語化できないものもありますよね。
ライターを教育したとしても全部がわかるとは限らない。
いいものが言語化できないとしても、感覚として面白いというのも大事。
そういう人を発掘するのも自分の仕事だと思っている。
— 発掘することについてどう思っているか?
戸川:何が面白いのかっていうのは難しい。紙盤のmeryはライターと編集どちらも
できる人っていうのが大事。
ナイロンジャパンも編集とライターの厳密な分け方はない。
音楽などの専門性が高い分野に関しては、ライターを使ったりする。
— 編集とライターの分け方についてどう思うか?
戸川:ライティングを意識してないとライターはできないので、作家とライターの違いと同じですよね。
編集は最初にロジカルなところがないと成立しない。
朽木:編集が業務なんで、ライターにネタをふったりして伸ばすというのが大事で、
この記事面白いでしょっていうのがライターです。編集プロダクションにいるので、編集するのがメイン。
自分自信はライター気質なので、ライターとしてちょこちょこやってしまう。
うちだとオウンドメディアの受託が多いので、ライティングすることになって、納品してお金をいただいている。
— その中で必要な素質がありますか?
朽木:メディアによって使い分けになりますよね。何が求められているのか、
それをわかる人が素質があるのではないかと思います。
一緒に仕事をしたいと思う編集者・ライターってどんな人?
戸川:絶対的にロジカルな人じゃないと仕事ができない。例えばエクセルが使えるとか笑
お金だったり、時間だったり、期限が守れないとか普通のことができないと一緒にものが作れない。
そこは最低限あってほしいなと思います。
朽木:どんな仕事相手であっても学ばせてもらえることがあると思っている。
この仕事はどんなことを経験して、どんな人なのかがわかる。
なので、どんな原稿であっても、人でも学べることがあると思っている。
逆に裏返せば、まじめにやらない人もいるんですけど誰も幸せにならないので、
納期守るとかコミュニケーションをちゃんととれる、飛ばない人笑
戸川:言葉の使い方にオリジナリティがある人が良い。
ライターだけに責任があるわけでなく、編集や見ている人も含めてリスクを考える。
文章的なオリジナリティがあって、納期などを守れない人だったら、
納期を守れる人を私はとりますね。そっちのほうがいいものが作れると確信している。
みんなで作っているという感覚になってほしいと思っている。
みんなで作っているからいいものになっている
雑誌とウェブメディアに何が起きている?
MERYもそうですが、フィナムなど数えるくらいしかないですが、
どういうMERYに関しては、ウェブメディアからどういう手順で紙を作ったのか?
戸川:ウェブから雑誌になったとか、作ったとか、PR上はそういっているけど、
あんまり感覚的にはそういうのはない。
キュレーションプラットフォームであるMERYを広げるための一手段であるだけで、
雑誌が特別なわけではない。
完売もしたし、成功したねっていうのはあるけど、やりたいことがもっとできると思っていた。できることがもっとたくさんあるなというのがわかった。
— やりきれなかったことって具体的に何がありますか?
戸川:ウェブメディアではできないもっと優良なコンテンツを作っていこうというところ。
二次転載的な発想だったけど、面白くない。じゃあ、デジタルのものを紙にもってくるわけでもない。
もう一生だという視点になった時にもっとできたよねっていうところ。
ウェブと繋げると面白くなるようなコンテンツ作りというところですね。
あんこうって全部食べられると思うんですけど、そういうあんこうみたいなことができたよねっていう実感です。
ナイロンを12年をやっているけど、雑誌だけという発想もなく、SNSやイベント、ウェブというところ。
一番大切なのはコミュニティだと思っていてやっていた。
そこで培ったものをもってきているところもある。
— 雑誌とウェブという比較についてどう思うか?
戸川:みんなウェブだと切り売りだと思っているけど、雑誌は一冊のひとつの商品だと捉えているから、
雑誌とウェブを単純に比較してもちょっと意味がない。
雑誌が読まなくなったから売れないわけでなく、面白いものを作れば買うはず。
雑誌が売れたから言えるんですけどね笑
スタバの一杯が500円程度なんだからもっと越えないといけない。
10年くらいウェブと雑誌を対比させるのではなくて、違うものをどうするか
雑誌はみんな減っていってるから儲かります。
スタバの1杯はそこの体験がいいから買われていて、
雑誌はそこにいってないから買われていないだけ。
だからいいものを作るしかない。
編集とライターのキャリアはこれからどうなる?
紙もウェブも関係なく、編集もライターも関係なくできる人求められていると思うけど、
どうなっていくと重いますか
朽木:いい写真もいいライティングもできる、いい動画もとれる、
立体的な仕事ができる人が求められていると思う。
ただ、縦に広げるか横に広げるかというところだと思う。
インフォグラフィックのサイトをやっているのですが、インフォグラフィックが作れるかって言われたら作れないです。ウェブ漫画も流行っているのもそうだと思っている。
なので、横に広げていくのは難しいと個人的には思っている。
だとしたら、1通りはできるけど、何か飛び抜けたものをひとつもって戦っていくのが
大事だと思っている。
戸川:ある程度のジェネラリストであったほうが確かにやりやすいと思う。
雑誌のところでいうと、日本のファッション誌はジェネラリストを育てるというのが昔からの
文化。海外はスペシャリストを育てるというのが基本。
ブッキング、ファッション、コスメだったり、スペシャリストをまとめるのが上。
海外にいってナイロンなどをみて衝撃を受けた。
編集者という言葉が嫌いだった。者ってなんなのって思っていた。
いっている人も、言ってる自分も嫌だった。
お金のことは考えなくていいというのが編集者だった。
海外いったら、よりクリエイティブなことでかつビジネスの話も当たり前にしていた。
それでいてめちゃくちゃ格好良かった。
それが衝撃的だった。
その上でロジカルというのはかなり大事で、その上でオリジナリティを出せばいいと思う。
なので、ベースはロジカルじゃないと難しい。
受託にしても自分で何かをやるにしてもオリジナリティがその上にあればいいと思います。
ここからは質疑応答のコーナーで戸川氏に対する質疑応答。
質疑応答: MERYの雑誌をなぜ500円にしたのか
戸川:値段の設計のところでここまで、「ロジカル、ロジカル」って言い続けてるんですけど、あまりロジカルじゃないかもしれないです。笑
人が買いやすいと思うのでワンコインにしたかったんです。MERYの雑誌の場合はターゲットは、10代だけじゃなくて、もっと上の層も入れています。
広告などの問題もあるけど、今のページ数のままであるならば、今の場合は一応500円にしている。
質疑応答: どういうメディアなら雑誌ができるか
戸川:どれでも可能性はあると思う。一番重要なのは取り組み方だと思っている。
何をもって雑誌を作る必要があるのか。このウェブメディアが調子いいけど、雑誌作れば売れるよねっていうだけだと絶対に成功しないと思っている。なので、基本的なロジカルさというところが必要。
別物としてウェブと紙をとらえていない。
質疑応答: 雑誌版のMERYは、ピントがあまいものがおおいけどどういう意図があったのか?
戸川:MERYの中で、写真がそういうものが人気だったからマーケティングのデータなどを元に意図的にそういうクリエイティブにしていますね。
なお、今回の記事はイベントの書き起こしとなっております。
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