日本のIT企業で働くエンジニアたちはそろそろ目を覚ますべきだ、自分たちは新卒の教育のためでもなければ、ビジネスサイド、営業、経営陣に振り回されるために開発をしているのではないと。
そうやって振り回されているうちに年をとるし、歳をとってしまうと転職やあらゆる行動がしにくくなる、腰が重くなってしまうのだ。
また、最近サイバーエージェントの首席エンジニアが退職して海外にチャレンジできるようなプロダクトを開発できる会社に転職したことが話題となった。このようにエンジニアをとりまくキャリアや職場環境は日々進化している。
営業側の人間はたとえ失敗したとしてもチャレンジが評価されやすい文化ではあるが、エンジニアではスケールしたサービスの負荷分散や、そのユーザーをどうやって捌くか、その時に何を考えて開発したのか、「グロースするための機能や分析はどうしたか」というのが言えるような大規模プロダクトやプロダクトの成長にコミットした経験がなければ、自分がこれまで開発してきたものを棚卸しした時にインパクトが低い。
最悪企業に勤めながら時間を見つけて、自分のGithubにコミットすることで何か道が開けるかもしれないが、せいぜいそれくらいだろう。
それではせっかくエンジニアでプロダクトにコミットしているのに、こそこそしている感があるし、勿体無い。せっかくなら堂々と開発しているものや自分のGithubを公開して、所属している人・一緒にプロジェクトを運営している人たちも応援すべきだ。
今回はエンジニアの価値が低いということに危機意識のある方、自分に自信がない、エンジニアとして今後どうなっていったら良いのかわからないという方を対象に記事を紹介していきたい。
このページの目次
この記事の読者対象
・優秀なエンジニアを採用したい、企業の人事採用担当者
・企業の経営者
・CTOクラスを獲得したい企業・VC
・評価制度やモチベーション設計に携わる中間管理職・マネージャー
・現場で働く、キャリアについて悩むエンジニア
・現場でストレスを抱えているエンジニア
エンジニアファーストいう耳障りの良い言葉はすぐにバレてしまう
「エンジニアファースト」という企業が増えてきた。そのようなコンセプトを掲げる理由は、そう言っていた方が新卒採用・中途採用問わずエンジニアの採用をしやすいからだ。
小手先の働く環境、おかし、ジュース飲み放題、勉強補助制度、、そんな贅沢な環境があるのにもっと求めるのか。そう考える人もいるでしょう。
しかし、エンジニアは頭がいいし、嗅覚も鋭いので環境が良いように見えて本当はどうなんだろうと構えてしまい、耳障りの良い言葉ほど怖い。勉強会、共有会などどういうつながり・コミュニティからか、企業のプロダクト、開発体制、組織体制、評価制度などの内情を耳にすることがある。
エンジニアの情報流通は驚くほど早い。
エンジニアコミュニティの情報流通は早い
エンジニアコミュニティは会社のコミュニティとは別に存在していることが多く、ある意味OSSなどの活動もそうだが、「同胞」を支えていく文化になっている。
OSSのように誰もが使うもの・誰が使えるようなものにして、更に良いものを作るために磨きをかけていく。また、はてなブックマークを利用しているエンジニアは非常に多く、毎日技術的なことや企業のこと、たまに無名で企業の内情を切々と書いた記事も存在し、驚くべき速さで広がっていく。
そういう思想があるのがエンジニアなので、良いことも、悪いこともその企業の内情は簡単に知ることができる。勿論、どの企業でも良い面も悪い面もあるのが当たり前で、自分にあっているのか、自分にはこの企業のマイナス面は許容できるという点を考えて今は所属している留まっているのだろう。
しかし冷静に将来を考えると、エンジニアやデザイナーは自分のスキル自体が保証になっているし、他の職種よりも将来的な安定感は高い。なので、年齢を経てマイナス面がいつか高くなってきた時にはいつでも辞めて自分の理想を追求していくことが可能で、いつでも外に出ていくことができる。
客観的な評価をされやすいのがエンジニア
OSSにコミットすることで技術力も磨かれるし、客観的にスキルを評価されるようになる。一つの企業にとらわれる必要がなくなってきている中で、OSS活動が活発になるということは、客観的にも外部からの評価もされていて認められており、常にそういう人材にきて欲しい企業からのオファーがある。
こういう客観的な評価を常に受けることができる職種は、IT企業に限定すると他にはあまりないのではないだろうか。
客観的な評価されるということは、プレッシャーであると同時に能力があれば選択が自由だ。エンジニアに留まって欲しい企業側は「エンジニアはもう騙せない」。
エンジニアファーストを掲げる企業が、本当にエンジニアファーストかは簡単に見抜かれてしまうし、耳障りの良い言葉は疑ってしまうのだ。
最終的にケツをふくのは結局エンジニア
最終的にケツをふくのはエンジニアというのはプロダクト・サービスを作っている上では当たり前のことだが、問題はその経営陣や事業の数字を見ている人、KPIの設定をしている人が曖昧で、プロダクト・サービスが成功しない・グロースしないことでしわ寄せが全てエンジニアに来ることだ。
エンジニアにもビジネス的要素が求められている、ならば評価制度や組織を変えよ
エンジニアがビジネス的な側面からもプロダクトを開発していく能力は求められている。これは現代のプロダクトのスピード感においては必要なことであり、FacebookもTwitterも元をたどればエンジニアが自分たちのために作り始めたものなので全く異論はない。むしろそういうプロダクトのスピードがないと情報の流通コストも下がり開発コストも下がっている時代の中で勝てなくなっていく。
上から降りてきた仕様通りに作ることなんてもう現代のプロダクトにおいては正しいやり方ではない。エンジニアが上流を意識して開発を行っていく、むしろ上流を担い、開発も担うという組織に変わっていっているし、今後も変わっている。
そうなっていくと今度はディレクターやプランナーがなぜ必要なのかという疑問が出てくる。
ディレクターやプランナーがよくいう言い訳
仕様通りに作るということが難しいというのは、上記したように一部わかるが、ディレクターやプランナーの甘えでもある。
・最終的に仕様が漏れてました
・そこまで想定していませんでした
・そんなに工数変わるんですか
何度こういう言葉を聞いたかわからない。もちろん完璧な人間はいないし、プロダクトは一緒んい作り上げていくもの。エンジニアからも開発しながら、プロダクトを触っていて「こっちの方がいい」と思ったら提案をするし、その方がユーザーに提供する際のクオリティも上がっていく。
しかし、上記の言葉を多用しエンジニアのことを考えていない人には、上っ面では「エンジニアは魔法使い」と思っていて、もう信用することができない。漏れるのが当たり前、プロダクトは一緒に作っていくものでしょと強気になって言ってくる人もいるのだ、あなたのバリューはなんですか。
ディレクターやプランナーがなぜ必要なのか?
組織が大きくなっていけば間に立ってコミュニケーションを取る必要があるから?それであれば、エンジニアでもそういう間に立つことができる人がいる、むしろディレクターやプランナーを一人入れるのであれば、エンジニアのコミュニケーション能力やビジネス側面を評価する制度、仕組みを入れてエンジニアに成長を促す方が良いのでないだろうか。例えば、1人のディレクターの人件費が1人のエンジニアとほぼ変わらないのであれば、2人エンジニアにディレクターの仕事を分割して依頼して、給料はその2人にディレクターの給与を3/4程度にして分配する。
そうなった場合にプラスしかない。
・ディレクター分の人件費を圧縮できる
・エンジニアのディレクションやビジネス面の成長を促すことができる
・エンジニア側はビジネスサイドのスキルを評価される
年収700万円で止まってしまうというエンジニアが多い記事が拡散されていたが、そういう問題もこのような一例でクリアできるかもしれない。エンジニアにとっても企業にとっても正しい方向ではないだろうか。
エンジニアではディレクションに興味がない人もいるので、そういう人は開発に集中できるような体制やプロジェクトに配属する。評価制度はエンジニアの場合は、技術力で評価されるのは当たり前なので、技術に集中したい人は必然的に評価される。ディレクション面で評価されたい人も評価される。
ディレクション力の高いエンジニアと技術力の高いエンジニアで結局エンジニアだけで、事が足りてしまうし、問題や不満があったら解決していく方向に動いていく。
寧ろコンパクトな開発体制の方が民主主義でプロダクトを決定する際にも楽だ。多くの意見が入ればいいプロダクトができるというのは理想論。誰も見えていないものを誰かが熱狂して作るからファンを獲得して、広がっていく。
本当にディレクターやプランナーが必要なのか、適切な評価制度なのか、エンジニアにビジネス面も求める割に評価体制が備わっているのか、エンジニアに無駄な負担を強いている割にそれをケアするものが足りているのか、今一度自分の企業に対して考えていただきたい。
ビジネスモデルや開発体制・評価の仕組み、プロダクトのいずれかに間違いがあるのは明白で、現場をよくみてください。会社都合のKPI、ユーザー度外しの事業目標、ユーザーも開発も消耗してますよ。
余談:ちなみに年収700万円はビジネスパーソン人口の中で約3%というデータも
「 リクナビNEXT 」の会員登録データから、年収700万円台のビジネスパーソンの割合を見てみると、全体の約3%程度ということが分かりました。全体の平均年収は371万円なので、年収700万円を稼ぐ人というのは平均よりも倍近い年収を得ていることに。年代別で内訳を見てみると、20代:8%、30代:44%、40代:33%、50代以上:15%
CTOが会社全体の評価制度を作っているエウレカの魅力
ちなみにPairsなどを運営しており、アメリカのIAC社に買収されたeureka社は、CTOの方が評価制度を細かく作っており、それが職種問わず使われいるようだ。
エンジニアのマーケティング・ビジネス面の評価もされる。段階は3段階で1段階上がるごとに5,000円の給与をあげており、細分化して評価することで多角的な成長を促し、そして評価するという素晴らしい仕組みができている。エンジニアもよりビジネスやプロダクトにコミットしたくなる。
エンジニアとして開発したものだけではない部分で動いている事も多く、ビジネス職との分岐点が難しいポイントもしっかり評価されるというのはやりがいに繋がるのではないだろうか。
こういうポイントは、エンジニアの事を考えていると言える。
公式サイト:http://eure.jp/
エンジニアが経営を考える・上流からコミットし制度・組織を変えていくしかない
エンジニアが今回ご紹介したような内容を声をあげて発信していかなければ企業側は変わらないし、今後も当たることがないプロダクトが投資という名目で増えていく。多少当たったとしてもエンジニアが評価されず、ビジネスサイドが評価される。日本のエンジニアの給料が安いことはアメリカやイギリスのエンジニアと比較しても明白だ。
それがなぜ成立してしまっているのか、そう考えた時に、ビジネスモデル・組織体制・評価制度という経営層が考えなければいけないところに問題を抱えているケースが多い。
その上流から問題を解決していきたいエンジニアはいないかもしれないが、その問題を多くの企業を変化させていくような取り組みをしていかなければエンジニアの地位向上はないのではないだろうか。
それこそスキルさえあれば別にそこを変えなくてもいいじゃないか?という声もあるかもしれないが、それでは常に転々とするしかない。
エンジニアは企業に残りたくない訳ではないし、常に新環境を求めている訳でもない。しかし残りたいような企業が少ないし、残りたくなるような企業を外・内から発信して増やしていかなければどこにいっても変わらない。
自分の評価しか考えていない人に、「本当の評価」ができる訳がない
現場のエンジニアのキャリアや将来を本気で理解していない人事採用担当者や評価制度を作っているけれども自分の評価しか考えていない人に、「本当の評価」をできる訳がないんです。
また、そんな評価制度には絶対に歪みが存在するし、その不満を抱えながら企業が成長してしまっている場合が一番怖いということにも気づいておらず、採用も進めてしまっているという事が実際起きてしまっているIT企業が多い。
もう、エンジニア側が集まって発信していくしかないと思いませんか?本気で変えようと発信していくと「おれみたいなエンジニアは切られるんじゃないか?」と考えている方がいれば、それは勉強しましょう。
いずれにせよプログラミング教育が必修化したり、プログラミング学習のコストも下がっているしエンジニアが増えていくので上下はっきりしていく時代が必ずきます。だからそこは勉強する事で乗り切れるはず。
しかし、企業組織体制やプロジェクトや新規サービスを生み出す仕組み・それに伴う評価制度は変えていく必要があります。
エンジニアが幸せになる仕組みを作りたい
Rplayでは、エンジニアの発信力やコミュニティ力を生かして、組織体制や・プロジェクトの生み出し方、運営の仕方、評価制度を変えていけるように情報配信・エンジニアを評価するプロダクト開発を行っていきたいと考えています。
それは「同胞」であるエンジニアが幸せに暮らせるような、もっと自由に将来を選択し、プロダクトを経験していける、場所を選ばず働く事ができるという社会を作っていきたいからです。
私たちエンジニアは、一度エンジニアという職種になったらもうエンジニアでいなくなることはないと思います。なんだかんだ土日に何かサービスを開発してみたり、アプリを開発したり。IoTプロダクトを作って便利だよねって話をしてみたり。
だからこそ、エンジニアが長期的に幸せになる仕組みが必要だと考えています。
エンジニアがエンジニアのために行動していかなければ分かってくれないんだということが分かりました。
Rplayで会社の内情やプロダクトの開発、うちの会社の評価制度がおかしい・こんな感じになっている、プロジェクトの進め方、アジャイル開発、リーンスタートアップの実行例などなど記事を書いてくれる、エンジニア社会を変化させていけるようなエンジニアの仲間を探しています。
少しでも興味を持っていただいた方は、ぜひお問い合わせよりご連絡ください。