先日うだるような暑さの中、渋谷でタクシーを捕まえた。
高い湿度の中、立っていたのでやっと来たと安堵してタクシーに乗り込もうとした時、見慣れない初心者マーク。「タクシーでも初心者マークってあるんだな」と思って乗り込んだ。
初心者マークをつけたタクシー。”運転・道のプロのはずであってほしい” この職業の人たちがなぜ初心者マークをつけて走っているのか気になってどうしようもない。ドライバーを見てみるとなるほど年齢は25,6歳の女性だ。つい質問を投げかけていた。
先輩との人間関係が転職の発端
「初心者マークが気になって、年齢も若かったのでどういう経緯でタクシードライバーになろうと思ったのですか?」
女性ドライバー: 「車が好きだったので」
そんなわけがない。
車が好きなだけでタクシードライバーになろうなんてどれだけ好きなんだよと心で思いながら、「そんなに車が好きなんですか。なぜ最初からドライバーにならなかったのですか?」
つい失礼だと思いながらも、どう考えてもこの状況を体験してしまったらキャリアに関しての好奇心が止まらない。
どこか浮かない表情を浮かべている彼女の表情も気になった。何かまずいことを聞いてしまったのかと少し後悔していたら、彼女が口を開いた。
女性ドライバー:
「実は前に保育士をやっていたんです。そこで先輩との人間関係のもつれから私には合わないかもしれないと思って辞めてしまったんです。女性の先輩ですごく強気に言ってくるんですけど、私も引かない性格で。」
まずい、引かない性格の方にこんな質問をしてしまった。申し訳ないことをしてしまった。
純粋な好奇心であっても時に純粋さは人の傷を抉る事になるんだと思い知った。
そんな事を考えていると次々と女性ドライバーは話を続けてきた。
女性ドライバー:
「 子供が好きだったので、保育士を他の園でやることも考えましたし、教師になるとか学童とか色々な選択肢を考えました。」
「 だけど、やっぱり人間関係で同じことになるんじゃないかと思ってしまったんです。そうなってくると子供が好きだとかではやっていけないのかなと思って。」
「 というのと、今すぐ自分の好きな事をどうしてもやらないといけないっていうのはないと思ったんです。これはもう少し年齢を経ても出来ない事はないと気づいてから色々行動を起こすことにしました。」
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こういう人が、「 どのような行動を起こしたらタクシー運転手という全く違う職業 」に辿り着いたのか気になった。ドラクエに例えるなら武闘家から魔法使いになるくらいの違いはある。
私は打撃攻撃が魔法攻撃になるくらいの正反対といっても良いくらいの変化をどのように考えたらなるのか、聞いてみた。
女性ドライバー:
きっかけは簡単でした。転職するとなったので、まずは転職サイトを色々検索していて「転職率が高い 転職サイト」を探していたんです。
何しろ保育士から他業界の転職なんてあまり聞いたことがなかったし、他の業界や職種に対してなにもしてこなかったので、自分の中でも不安が少しあったから転職率が高いというのは魅力でした。
検索しているとマイナビ転職が一番転職率が高そうだったので、「 リクナビネクスト 」を使いました。「 リクナビネクスト 」の中で、適職診断や自分の強みを診断できるのでそのサービスを使ってみたり、自分の希望などを入力していた中の一つにタクシー運転手がありました。
車が好きだったこともあって、このタクシー会社を受けてみることにしたんです。
「キッズタクシー」というサービスを都内で運用している会社で、子供との接点があるかもしれないと思ったのもその一つですね。
でも実際入ってみるとキッズタクシーのニーズがあまりなくて(笑)。意外と送り迎えなどは自分の車で行うという方が多かったんです。
最近ベビーシッターの怖いニュースなどもあったのでそういうのも原因にはあるかもしれませんが。
でも、これからオリンピックがあるので色々な人に出会えたり、大好きな子供との接点などを考えると始めた当初は戸惑いがありましたが、段々慣れてきましたよ。色々な方と会えるのはこれまでの仕事になかったので楽しいですね!
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彼女は人間関係から転職した。一見ネガティブとも思える状況でも楽しさを感じているポジティブな一面があった。
また保育士からタクシー運転手に転職したという少し特殊なキャリアを歩む女性でも、意外と普通に転職サイトを利用して、転職をするということが分かった。
そして、タクシー運転手をやる中で自分の会社の事や経済の仕組みや今のニーズなど様々な事を知る事が楽しそうであった。
先輩との人間関係の流れで転職しなくてはいけない、転職したいという考えになる人も少なくはない。寧ろ転職理由のランキングの中ではいつも上位にある。自分の好きな事、好きだと思っている事だからこそこだわりを持って取り組んでいると人と衝突することもあるだろう。
彼女のように、潔く違う業界に飛び込んでみるとまた新たな世界や学ぶ事が多いのではないだろうかと考えさせられた。
好きだと思っていることが常に正しいとは、たしかに限らない。
人生はいつでも、どこからでもやり直せる。
やり直すと決める決断をいかに早くして次のステップでの希望を見つけ、目標に向かってポジティブに行動していくのかが大事だと、そう彼女は教えてくれた。
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Rplayのコンセプトである、「最高のキャリア・人生を選択できる」という言葉は、「いつからでも人生はスタートできる」という意味も含んでこれに決定しました。
就職活動においても、「みんなが大手に行っているから、親がここにいけと言っているから、なんとなく」と会社や人生を決めてしまうこともあるが、もう一度考えてみていただきたい。いつからでもスタートだし、いつでも変えられるけど、入り口は大切です。
転職をしたいという方は、転職は人生の転機。最善の選択をするために、彼女のようにじっくり考えて行動し、良い選択をしていただきたいです。
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