現在上場企業を退社して、知人と会社を作り、エンジニアとしてサービス・アプリ開発に取り組んでいます。現在エンジニアは2名。会社を経営する中で、周りのスタートアップを見ても、エンジニアが足りないところが多いです。
しかし、エンジニアで起業した場合、「普通」のエンジニアは足りているので、どういうエンジニアが欲しいかという話になります。エンジニアで起業した場合のリアルな人材の話をご紹介します。
このページの目次
エンジニアの採用で大事なのはコーディングとプロダクトフィット
エンジニアの採用では求められるレベルが年々上がってきています。
どのようなことを求められているかというと、シンプルにコーディングスキルとプロダクトをどれくらい好きか、使っているか、プロダクト思考があるかが大事になってきています。
日本初のスタートアップでユニコーン企業(未上場で時価総額1000億円企業)となったメルカリでも採用の時にコードにテストと、メルカリ自体(アプリ)を利用しているかどうか、サービスが好きかどうかを聞いているようです。
コードのテストだけでなく、プロダクトへの興味関心が価値
これは当たり前と言えば当たり前で、単純にコーディングスキルだけでなく、そのコーディングスキルをプロダクトに落とし込めなければあまり意味がないからです。
これまではエンジニア自体の母数が少なかったために、エンジニアというだけで需要が高かったのですが、コーディングスキルだけでなくプロダクト視点を持っているかどうかも大きな基準になっていくのではと感じています。
メルカリの採用・プロジェクトマネージャー例
- コードのテストは書類選考、面接時に行う
- プロジェクトマネージャーはエンジニアからなる人、エンジニア経験者が多い
●メルカリカンファレンスVol.1「メルカリUS」カイゼンの最前線
●メルカリの未来 ー メルカリCEO山田 進太郎 メルカリカンファレンスVol.2
フェイスブックの評価制度と転職事例
アメリカのシリコンバレーのフェイスブックに訪れた時にフェイスブックのエンジニアに評価制度について聞いてみた所、日本の評価制度や日本にいるエンジニアとの意識の違い、働き方の違いという面で面白い回答がありました。
評価制度と評価面談
エンジニアは評価面談時に、今期にやったことを数値と実装したもの、コードなどを用いて説明します。そもそも何を評価されるかというと、問題設定からその解決までの一連の流れを丸っと行って評価されるようです。
- 自らユーザーの課題・問題点を探す
- 課題設定
- 課題解決となる機能、方法の実装
- テスト的にユーザーリリース
- データを元に有意差を判断
- 有効であれば全体にリリース
- リリース後のデータを取得
という一連のフローを1人のエンジニアが自ら行っているとのことでした。
日本とのエンジニアの評価制度の違い
日本だとプロジェクトマネージャーなどが課題を分析し、タスク化、エンジニアが実装して、マーケティング、データサイエンティストなどがそれを分析、有効であればリリースなどのように組織的に分断されています。
しかし、これだと責任の所在が曖昧になるのと適切な評価がしにくくなります。
フェイスブックの事例をエンジニア全員がやり始めると時期や他のリリースなどの要因によって評価がしにくくなる可能性がありますが、フェイスブックのエンジニア評価はこのようになっています。
日本でもエンジニアの人数が増えてくるとエンジニアからプロデューサーになる人も増えますし、プロダクトをわかるエンジニアが求められてきます。エンジニアの方はコーディングスキルはもちろん、プロダクトに関しても見られるようになっておくことをオススメします。
サービス・ユーザー視点の磨き方
チケットキャンプというライブ・コンサートなどのチケット転売サービスは、ミクシィに買収されましたが、そのチケットキャンプの代表を務めている笹森氏やPairsなどのアプリを開発するエウレカの代表の赤坂氏によると採用の時に、スマートフォンのホーム画面になんのアプリが入っているかをチェックしていると話しています。
そのアプリの良いところ、ダウンロードする経緯、なぜ使っているのか、など詳細を聞いていくとその人がどれくらい「考えて使っているか」がわかります。
- ユーザー視点は自分が使い手の立場で考えられること
- いくつかのアプリを使って、そのアプリのキャッチコピーややりたいこととマッチしているのか自分で利用してみること
- 「自分だったらこう実装する」のような自分ゴト化すること
- 将来どのようにしていきたいか、まで考えること
これらを日々チェックしながら行動すると、サービス視点は自ずと付いてきます。
色々なアプリをユーザー目線を意識して「どうしたら便利か、継続して利用するか、お金を支払うか」などを考えて使っていると、UIUXといった部分の知識が深まります。
エンジニアが採用できない企業と特徴
スタートアップを経営していると他のスタートアップ企業からエンジニアが欲しいということで紹介してと言われることがあります。しかし、「エンジニアが始めた企業・優秀なエンジニアがいる企業」でないと自分たちの企業の見え方がわかっていないこともしばしばあります。
それだと絶対にエンジニアは採用できません。エンジニアが採用できていない企業の特徴をいくつかご紹介します。
- 経営者のビジョンが見えない
- プロダクトの未来が言語化できていない
- 給料が低すぎる
- ストックオプションなどの条件がない
- 古い技術で運営されている
- 良いエンジニアがいない
経営者のビジョンが見えない
経営者が何をしたいのか言語化して、それがなぜそのビジョンになっているのか、そこに共感できていないとその会社に入社したいと思えません。行っている事業はなぜやっているのか、どういう経緯なのか、その上で経営はどのようにしていきたいのか。
そもそもビジョンを外に出していないということであれば、まずそこを明確化したほうが良いですね。
プロダクトの未来が言語化できていない
プロダクトの性質は非常に大切です。自分が作りたいプロダクトであればアイデアも意欲も湧いてきますので、プロダクトに集中して打ち込むことができます。
また、海外をマーケットとするようなプロダクトであれば将来的にエンジニアが海外に行くこともキャリアプランに入れることができます。
優秀なエンジニアほど海外の方がトレンドが早いので行って働きたいと考える傾向があります。
ですので、将来海外のマーケットが視野に入っているか、国内はどのように攻めて行くのか、1プロダクト以外にもどのようにプロダクトを考えているのかは明確にしておくと採用しやすくなるでしょう。
給料が低すぎる
エンジニアに限らず給料が低すぎるというのは難しいでしょう。企業に勤めながら、副業・ダブルワークの感覚で給料を支払うというのであれば別です。
フルタイムで働いて欲しいのは当たり前ですが、それが難しいということであれば最初に少し手伝って欲しいということを伝えて、安めでも手伝ってくれる人に依頼しましょう。
そこで手伝ってもらって、後から採用するというのがスタートアップやベンチャーによくある採用の仕方です。
ストックオプションなどの魅力的な条件がない
経済条件が続きますが、魅力的なプロダクト・会社ほどストックオプションがあるもの。成長が見込めない企業にエンジニアは行こうとは思いません。
ストックオプションがあるから行くわけではないですが、ストックオプションがあるからこそ上場するためにみんなで頑張ろうというようになるわけです。ストックオプションがない給料だけの企業だけだと評価制度をしっかりしておかないと厳しくなります。
そうなると社内の環境がよほどよくないと残る意味がなくなってしまいます。今はエンジニアの売り手市場なので、その辺りは念頭に置いておくことをオススメします。
古い技術で運営しているプロダクトしかない
古い技術で作られているサービスやアプリを改善したいという欲求がある人は珍しいです。新しい技術でプロダクトを作りたいというのが普通です。
なるべく新しい技術を採用する環境、体制を作り、新しいもの・技術を試せるような仕組みを作っておくことが大切です。大体のエンジニアが新しい技術が好きなので、古い技術で運営しているところは魅力的には写りません。
メルカリの本体はPHPで一部レガシーな部分も出てきているという話もありますが、ソウゾウ社では新しい技術を使って開発しているなど、グループでも会社によって使い分けて、新しいことがやりたい人は子会社に行くなど、エンジニアのキャリア・採用を考えるということも大切ですね。
良いエンジニアがいない
メルカリは採用力が高いと言われており、他の企業でもCTOを経験したことがある人、CTOクラスのエンジニアがたくさんいます。良いエンジニアがエンジニアを連れてきたり、採用の人事をエンジニアだった人が行っているなどエンジニアライクな会社になっています。
良いエンジニアがいない企業だと外注してサービスを作っているケースや、汚いコードを書いてしまっていることが多いのであまりやる気が起きません。
まず1人でもいいので良い条件で雇用するなどして、良いエンジニアを入れることが大事です。
- 良いエンジニアがよいエンジニアを連れてくる
- 汚いコード、雑多なものを綺麗にしたいエンジニアは少ない
- 最初から綺麗なものを意識してチームや事業を作る
これまでは、採用者目線でエンジニアがどうしたらその企業に入社してくれるか、採用できるかを書いてきました。
ここからはエンジニア向けに採用面接で聞かれる質問についてまとめておきます。
エンジニア採用・面接で聞かれる質問
エンジニアが面接で聞かれる質問について、企業によって多少異なる可能性がありますが、まとめておきます。
これまで関わったプロダクト・プロジェクトについて
これまで関わったプロジェクトの人数、サービスの種類、具体的にどのようなことを担当していたのか、どういうポジションだったのか。
サービスごとに何人どういうポジションの人がいて、行ったこと、学んだこと、スキルがどのように変化したのかを具体的に説明できると良いでしょう。
書けるプログラム言語とレベルについて
どれくらいの種類の言語が書けるのか、その言語はどれくらいのレベルなのかは面接で聞かれるのと同時に、どのような意図で書いているかなど詳細に聞かれます。
GithubやQiitaがある人は面接の前に書類選考の段階で提出することになるとは思いますが、一応それに対して返答できるようにしておくことをオススメします。
面接や書類選考でテストでコーディングする会社も増えてきていますので、そこでコーディングスキルは判定されるかもしれません。
コーディングスキルが不安という方は、時間を効率的に使って動画でマンツーマンでライブコーディングして、スキルチェックをできる「コードキャンプ」がおすすめです。自分のGithubのレポジトリなどもチェックしてもらうと企業からの見え方もよくできますね。
現役エンジニアからフィードバックを受けることで、自分のコーディングスキルをチェックしてレベルアップしてから面接などに臨みましょう。
機械学習・ディープラーニングがホットになってきていますが、さらなるレベルアップ・年収アップ、キャリアアップを考えるならこちらのサービスもおすすめです。
将来の方向性、一生エンジニアかプロジェクトマネージャー方面か
将来一生エンジニアとしてプログラムを書いていたいひとか、プロジェクトマネージャーなどビジネスより上流になっていきたいかは人それぞれ違います。
先輩のエンジニア、自分がベンチマークしている人などを参考にして、自分のキャリア設計をある程度考えておくことと良いでしょう。
エンジニアの転職する年齢って何歳までなの?
フリーランス仲介のギークスジョブのインタビューによると、35歳くらいまでが転職者の人数・母数としては多いですが、40歳、50歳の方でも活躍されているとのこと。
エンジニア35歳定年説というのはよく言われていますが、全然そんなことはなく、大手企業でもエンジニアを続けている人は多数います。
エンジニア転職のおすすめエージェント
エンジニアが転職するときにどのようにすれば良いのかお悩みの方も多いですよね。最近では友人の紹介で入るケースが増えており、リファラルリクルーティングという分野が伸びてきています。
しかし、なかなか紹介で入るというのはコーディングスキルが担保されていないと難しかったり、未経験での転職が難しいというケースもあります。
技術が不安だという方はエージェントと相談して、自分にあっているところを紹介してもらうと良いでしょう。
ゲームIT業界にいきたいならワークポート
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