転職するときに必要になる退職手続きに関するノウハウを手に入れよう

転職するときには現職を辞めなければなりません。転職活動を始める前に退職手続きを終えている人もいますが、内定が出てから退職の検討を始める人もいるでしょう。会社によって手続きの詳細には違いがあるものの、大まかには退職理由を伝えて引き継ぎを行った上で辞めることになります。その際に必要になるノウハウを紹介します。

転職のときに使う一般的な退職理由とは

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転職するときに現職を退職するにはまず上司に退職したいという意志を伝えなければなりません。その際になぜ辞めるのかと聞かれてしまうのが通例なので、退職理由を説明できるようにしておくことが肝心です。上司を説得して互いに納得できるようにしなければ円満退職をすることはできないでしょう。

ネガティブな不満は理由としては微妙

退職理由として上司や同僚との関係が良好ではなかった、やりたくない仕事をさせられていた、勤務時間や給料に不満があったというようなネガティブなものは禁物です。

  • 上司や同僚との関係が良好ではなかった
  • やりたくない仕事をした
  • 勤務時間や給料に不満

プライベートの方の都合がベスト

一般的な退職理由としてプライベートの方の都合でこの職場で仕事を続けるのが難しくなったというのは典型的です。

結婚や出産、介護などに加え、パートナーの転勤や家族との同居などが簡単な例としてよく用いられています。

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別の仕事に興味を持った

また、別の仕事に興味を持ったというのも業界外への転職では問題ありません。業界内での転職ではライバル会社に所属することになるため、ポジティブな理由で転職するにしても詳細を明かさない方が心配がないでしょう。異業種の場合には軋轢を生む可能性が低いことから、自分の興味が変わってしまって転職したくなったというのは問題ないのです。

転職のときに退職を伝えるときのポイント

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上司に退職の意思を伝えるときには押さえておきたいポイントがあります。伝え方の基本として、退職する意志が固まったらできるだけ早く口頭で伝えることが挙げられます。人が抜けるとなると代わりの人材の採用を考えなければなりません。

上司としては退職することは認められても、代替の人がいないと業務に支障が出るから引き止めなければならないという状況になることもあります。速やかに採用活動を始めてもらわなければ転職に差し支えてしまうでしょう。

二ヶ月程度は余裕を持って話を切り出しておく

二ヶ月程度は余裕を持って話を切り出しておくのが無難です。また、電話やメールで伝えることもできますが、話がこじれる原因になる可能性があるので対面で話しましょう。電話では互いに表情がわからず、どのような意図で相手が話しているのかが読み取れません。

メールでは齟齬が起こりやすい

メールでは齟齬が起こりやすく、うっかり書いてしまったことも記録に残ってしまいます。口頭で話をすると気持ちが伝わりやすく、辞める意志が強いことを明示できます。上司に退職の意志を伝える場面はいわば交渉なので、できるだけ自分の気持ちを正確に伝えられるように工夫するのがポイントです。

転職の退職届に記載すべき内容とは

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転職を遂げるためには退職手続きとして退職願や退職届を提出する必要があります。上司に話をするときに準備をするのは退職願で、それで了承が得られたときに退職届を正式に提出するというのが一般的です。退職願も退職届もほとんど記載する内容は同じなのでほとんど書面は転用できます。

会社によってはフォーマットが定められている

会社によってはフォーマットが定められているのでその通りに記載すれば良いですが、退職願も退職届もフォーマットがない会社も多数あります。その場合には手書きで白紙にボールペンや万年筆などで書くのが基本です。

一身上の都合により

私議という言葉を書いて書き出し、一身上の都合によりという理由で何年何月何日に退職するのかを記載し、その記載をした日付を記入します。そして、所属と氏名を書いて押印し、さらに宛名として会社名と代表取締役社長の名前を書きましょう。

本当に一身上の都合によりというだけで良いのかと疑問に思う人もいるかもしれませんが、詳しく都合を説明する必要はなく、テンプレートに従って書けば何も問題はありません。あくまで退職願や退職届は書類処理上で必要になるというだけなので詳細は気にかける必要がないのです。

現職の退職日と次職の入社日はどうすると良いか

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転職のときには退職日と入社日を交渉して決めることになります。タイミングをどのような関係にしたら良いかはケースバイケースですが、キャリアのブランクを作りたくない場合には退職日の翌日を入社日とするのが賢明です。

間で引っ越しが必要なときには一週間から二週間程度の間を開けるのも良い方法ですが、もし有給休暇が残っているなら最後に使い切ってしまうのも良いでしょう。法律上は退職前にまとめて有給消化をしてしまっても問題ありません。

有給休暇の最終日付けで退職する

例えば、実際には9月10日が最後の出社日になるという場合でも、その後の数日間は有給消化をして、その有給休暇の最終日付けで退職するということが可能です。予め上司や人事課と話し合っておくとスムーズにこのような手続きができます。

一方、次の職場で働き始めるまでにトレーニングが必要なこともあります。その場合には退職日の後、一ヶ月といった期間を定めて入社日を設定するのも合理的です。しかし、受け入れる側の会社としては一日でも早く入社して欲しいという場合がほとんどなので、このようなトレーニング期間を作る必要があることは滅多にありません。

転職のときにもらえる退職金

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日本の企業の四分の一程度は退職金を支払わない仕組み

転職は自己都合退職となりますが、退職金制度がある企業で働いていれば退職金をもらえる可能性があります。退職金制度は福利厚生として行われているもので、法律によって定められているものではありません。実際には日本の企業の四分の一程度は退職金を支払わない仕組みになっています。

退職金前払い制度として給料に上乗せしている

完全にシステムとして存在しない場合もありますが、位置付けとして退職金前払い制度として給料に上乗せしていることも珍しくありません。このような企業で働いている場合には退職金が手に入らないでしょう。

勤続年数で退職金を支給するかどうかを決めている

また、勤続年数で退職金を支給するかどうかを決めていることもあります。退職金の支給条件も会社によって異なりますが、勤続年数については三年以上としているケースが多くなっています。通常は会社都合退職に比べると自己都合退職は退職金が少なめになる仕組みになっていて、勤続年数が短いとさらに金額が少なめになるので注意が必要です。

制度として定められているなら受け取る権利があるので、もし支給されないような事態になったら訴えかけましょう。請求しないでいると時効が来てしまう可能性もあるため、速やかに請求することが大切です。

転職したときの退職金は確定申告でどう扱うのか

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転職したときに支給された退職金は所得となるので税金を収めなければなりません。退職するときに退職所得の受給に関する申告書を提出していれば正確な金額を源泉徴収してもらうことが可能です。

20.42%の税率で源泉徴収

もし提出しなかった場合には20.42%の税率で源泉徴収されてしまいます。しかし、退職金には控除もあり、分離課税になっているので年度末に確定申告をすれば還付してもらえる可能性があるので積極的に税額を計算してみましょう。

申告書を提出していない場合には退職金の20.42%になっているかを確認し、少しでも多く所得税を払っているのなら確定申告を行うのが賢明です。

退職金の金額からこの控除額を引いて半分に割った数が退職所得

一方、申告書を提出した場合には退職所得駆除額として、勤続年数が20年以下ならその年数かける40万円、20年を超えているなら勤続年数から20を引いた数に70万円をかけ、800万円を加えた金額が適用されます。退職金の金額からこの控除額を引いて半分に割った数が退職所得となります。退職所得に対して累進課税制度に基づいた税率をかけ、控除額を引き去った金額が所得税額です。

所得が少なくて所得控除が余っているとき

この金額が納めるべき税額になります。ただし、所得が少なくて所得控除が余っているときには退職所得から引くことが可能です。その場合には確定申告によって還付金をもらえる可能性があります。