副業を認めない会社のゆるやかな死?副業・複業をする個人と会社が増える未来

転職やキャリアについて多くの人が悩む要素の一つである「給与」。

給料が足りない、キャリアについて現在勤めている会社でもできるけどどうやって始めればいいのか悩んでいる、転職するべきなのか悩んでいるという方が多いのはいうまでもない。そして、副業をしたいけど会社が副業を禁止していてどうしようか悩んでいたり、どのようにそもそも稼げばいいのか悩んでいるという方も多いのではないだろうか。

今回は、副業や複業(パラレルワーク)をする個人やそういう個人の活動を認める会社が増えていくのではないかというRplay独自の見解をご紹介したい。

複業・副業がなぜ増えるのかと副業の現状

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副業の現状ということで、若手社員の5人に1人は副業をしているという状態だそうだ。

インテリジェンスの調査によると、25~39歳のホワイトカラー系正社員のうち「副業をしている」割合は20.1%と、5人に1人が行っていることが分かった。男女別にみると、男性(17.4%)より女性(27.9%)の方が副業を行っている割合が高くなっていた。(Business Media 誠)

リーマンショック時よりも減少しているようだが、日経平均が上がっていることもあり、景気によるところも大きい。
しかし、当時よりもインフラや状況が変わってきている。ここからは、副業・複業がなぜ増えるかというところについて考えていきたい。

まず、複業・副業がなぜ増えるのかというところに対して、大きく分類すると2点ほど考えられる。

・技術やインターネットの進化によって、個人が稼ぐためのインフラができた。
・企業が個人のキャリアを担保しなくなった。

技術やインターネットの進化によって、個人が稼ぐためのインフラが整った

これまでも副業や複業は能力のある個人であれば行っていたが、技術やインターネットの進化によって稼ぐ方法が増えたり、稼ぐために必要なインフラが整ってきた。

クラウドソーシングサービスなどによって個人が簡単に小さなタスクから仕事をもらえるようになり、発注者側も人を雇用せずとも仕事を依頼して既存のビジネスにいかしていくという新しい働き方ができた。

こういうインフラがインターネットの進化と人々のライフスタイルの変化によって整ってきたことが一つの要因としてあげられるのではないだろうか。

クラウドソーシングサービスを使って年収を2倍にしている人も少なくない。
こういった事例が今後どんどん増えていく。もう現実に起きてきている。
自分の将来を保証するのは自分だけで、行動していくものにはどんどん新しいキャリアや未来が開かれていく社会なのだ。

また、こういったインフラの一つとしてアフィリエイトという個人がブログなどで記事を書いて商品を紹介することでお金をもらえるという仕組みが最近人気になってきている。聞いたことはあるが、よく分からないという方もいると思うが、よく勉強しないで避けてしまうのは非常にもったいない。
ぜひこちらも合わせてどうぞ。

企業が個人のキャリアを担保しない社会

従来は、会社に勤めてのんびり働いていても給料がもらえ、年功序列で上がっていくから問題はそれほどなかったのかもしれないが、大企業でもリストラが始まり、また給料が上がりづらくなりつつあるのが現状だ。

日本の電機メーカーといえば、世界に誇れる多くの企業がありその一つである、シャープが台湾の鴻海精密工業に買収されるという話があるなど日本のこれまでの産業が大きく変化してきている。

また、自動車メーカーも三菱自動車の燃費データ不正問題しかり、実は大きな闇を抱えている高度経済成長期から日本を支えているメーカーが、まだ耐えてはいるがいつシェアが奪われていき、そして海外の会社に買収されてもおかしくない時代になった。

三菱自動車では、燃費に影響を与えるタイヤと路面の摩擦などの走行抵抗のデータに不正に手を加えていた問題と、国が定める方法に従わず長年、データを測定していた問題が発覚しました。
こうした問題の影響で三菱自動車は、日産自動車から巨額の出資を受けて事実上、日産の傘下に入ることになり、燃費不正の問題は業界再編に発展しました。
一方、スズキも18日、16車種について燃費のデータの測定を国が定める方法とは異なる形で行っていたことを明らかにしました。
(NHK NEWS WEB)

そういう時代にのんびり企業で働いていて、自分のキャリアについて考えて好きなことをできるというのは難しい。
もう会社が個人の将来を担保してくれなくなってきているのだ。

こういうインターネットや社会・経済の移り変わりによって個人の副業・複業が可能になってきた。

Rplayでもご紹介した、人材や専門家サービスなどを運営するエンファクトリーは「専業を禁止」というコンセプトを掲げている。副業禁止でなく、専業することを禁止しているとてもユニークな会社だ。従業員の半数以上が副業をして、経営者としても働いている人が多い

エンファクトリー社長は、「経営者的視点を手にすることによって企業にもたらすものが大きい」と考えて、このようなコンセプトに至っている。

エンファクトリーについてきになる方はこちらも合わせてどうぞ。

 

また、グループウェアのサービスを提供している上場企業であるサイボウズも副業を認めており、ユニークな制度が豊富で有名だ。週に1日は副業の日を設けている人もいるようなので、気になるかたはこちらも合わせて。

次は、個人や企業が副業・複業をするのが当たり前になる社会について
もう少し掘り下げていきたい。

個人のキャリアの多様化

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インターネットの進化でクラウドソーシングなどができたことや、プログラミングなどの学習をローコストでインターネット上だけで受けられる、インターネット上での学習サービスも増加してきている。プログラミングだけではなく、英会話のサービスも多く個人の将来に活かせるような学習が簡単かつ、動画や通信サービスによって場所を選ばずに自宅で簡単に始められるということで人気となっている。

プログラミングを勉強してエンジニアを目指したいという方はこちらも合わせて。

キャリア実現のコストが大幅に低下

これまでは、職種を途中で変化させたいというときは会社に異動願いなどを提出して受理されなければいやいや働いていくというキャリアだったものが、こういうインターネット上の学習サービスによって、必ずしもいやいや自分の理想とは異なるキャリアを選択しなくても良くなった。

理想とするキャリアを実現するためのコストが大幅に下がったために、個人のキャリアがより多様化した。

そういう中で企業側も多様なキャリアプランを用意しなければ、個人をマネジメントすることが難しくなってきたのではないだろうか。

これまでの会社のマネジメント方式であれば、給料と昇級さえさせておけば個人をマネジメントすることは比較的容易だったのだが、昇級を望めないとなれば皆将来について考えて、おのおののキャリアについて模索しはじめる。

そうなると、企業側はそれに見合ったキャリアプランを用意できなければ、人がいなくなってしまい、さらに経営環境が悪化する可能性が高い。

これまでノウハウを持っていた人材が流出することは防げず、旧時代のビジネスから新しいインターネットサービスを運営する企業への転職も2000年前半から増えてきている。

柔軟な企業文化に人は惹きつけられる

キャリアプランが柔軟で立てやすいという企業に絶対的に人が流れるようになる。
能動的に行動を起こすのであれば、チャンスが多い方が当たり前だがお得だからだ。

例えばインターネット企業は、インターネットというサービス自体の流動性の高さから企業自体も流動的で、様々な企業文化がある。固定されたキャリアプランをただ企業側から押し付けられることで、人生を終えていくのではなく、個人が実現したい理想を実現できるという企業が求められていく。

そういう柔軟性のある企業に確実に人は流れていき、インターネット企業であれば個人の裁量が大きく成功すれば大きなお金を手にすることができるというシンプルに評価される仕組みがあるのだ。

給料や昇級だけではなく、個人のキャリア実現に重きを置いている企業が個人から認められ、今後増えていくことは間違いない

その柔軟性に気づかなければ、人が辞めていくか、今後新しい人材の獲得は見込めないだろう。

日本でもシリコンバレー式の企業文化の必要性

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柔軟なキャリアプランを用意するというのも個人のエゴではないかという意見があるかもしれないが、そういう旧態依然のの考え方では企業として衰退していくだけだろう。

海外では3年で転職するというのが割とスタンダードである中で、なぜそういう状態になっているのかというと個人がキャリアに重きを置いているからだ。

ここまで述べてきたように日本でも個人が、年功序列で一生同じ企業にいるという事が少なくなり理想とするキャリアを実現するべく動くようになってきてるということで、企業も変化しなくてはならなくなってきた。

海外では成果主義で、リストラも普通である。なので、個人がより成果を残すことに必死で、キャリア形成が必要とされる。

そのキャリア形成、これまでのキャリアをどういうふうに見せれば良いかということでできたLinkedinという自分の履歴書をマイページに掲載してヘッドハンターから連絡がくるというSNSがある。これは日本人では絶対に作らないようなサービスではあるが、どのような企業なのか。

コミットメントを決めて存分に成果を出す

シリコンバレーのスタートアップであった「Linkedin(リンクトイン)」は、人材サービスを運営しているだけあって、非常に面白い企業文化をしている。

1,2年、半期などで実現するべきコミットメントを決める。「XXという実績・N%Xを上げる」というような具体的なものから、抽象的なものまであるが、そういうコミットメントを決めることで、短期的に集中する状態を作る。

そして、Linkedinでこういう成果を残したから、次に行くときは社長が推薦して他の企業に入れるという面白い流れがある。日本では全く考えられないような文化であるが、実際こういう動きにインターネット企業を中心になっている。

優秀な人にはなるべくやめてほしくないのは企業の経営者、マネージャー、管理職であれば当然思うことではあるが個人のキャリア実現を妨げることはできない。むしろそれをすることによって、後々変な評価が付きまとう。

企業が個人を評価しているように、個人も企業を評価して共有する社会になってきているのだ。

透明性がなければ個人からは疑われ、口コミがインターネット上に残る。そして雇用するときにもその評価が付きまとうためにビジネスがしにくくなる。

シリコンバレー企業のようにオープンで柔軟な組織形態や企業文化というのが、今後の日本社会でも求められているのだ。

なんとか成長してきた日本社会にも陰りが見えているように、今企業や働き方という点で変化に対応するべきときがきている。

最後に、個人は理想に従って行動して生きる

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日本はある程度の給料であれば最低限度の生活をできる。地方で暮らし、クラウドソーシングを使ってお金を稼ぐという方法もある。東京、大阪、福岡、札幌など大都市

しかし、日本人の幸福度調査で毎年メディアでも言われているように必ずしも最低限の生活をできることが幸せとは限らない。
内閣府のデータによれば、年齢を経るごとに日本人は幸福度が減っている。こんな貧しい社会があるのだろうか。
日本人は寿命が長いと言われるが、幸福度が下がっていくといういびつな状態が起きてしまっている。
幸福度調査

出典:http://www3.nhk.or.jp/news/special/mitsubishi-nenpi/

そして、その幸福の一部が大企業の昇級や年功序列によって成立していたとしたらもうそれすらも危うくなってきているほど日本は危ういのではないかとRplayでも考えている。

私たちは、ただ企業で働くだけでなく、独立した個人として様々な理想を求めて行動していくべきで、そういう理想的な仕組みがないのであれば作っていかなければいけない。

企業に頼るのではなく、個人がより未来を見据えて行動を起こすことによって企業が変化し、企業が変化することによってまた個人が変わっていく。

企業・個人が変わっていかなければ私たちの暮らしや未来に光はなく、日本はゆるやかな死を迎えていくのではないだろうか。

 

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