【保存版】IT企業に就職・転職するときに抑えておきたいポイント

IT企業への就職、転職を考えている方はどのように企業を選んでいるでしょうか。IT企業は参入障壁が低いビジネスが多いので企業数も非常に多いのが特徴的で、IT業界に行こうとしても選択に迷ってしまいますよね。

企業の従業員数、上場しているか否か、売り上げ、利益、何で売り上げを上げているか(ビジネスモデル)、会社の組織文化などは業界問わずにみておくべきポイントですが、それを含めてそれ以外にもIT企業に就職、転職する際に見ておくべきポイントはどういうところなのか、IT業界への就職・転職を考えている方の参考になるようにご紹介します。

優良IT企業の判断の仕方とは

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IT企業の企業数は非常に多いです。良いIT企業の判断軸は幾つかありますが、IT企業の企業数が多いために判断しにくいのです。2014年のデータでは、上場企業で2番目に多い企業数のカテゴリーとなっています。

ですから、最終的には自分での判断・将来的に目指す方向性を明確にしておくことが大切です。

1980年代以降、情報サービス産業では、株式上場企業が次々と登場しました。その頃の業種別分類項目は「サービス業」でした。それから20年、情報サービス業は社会の情報化を支える重要な産業としておおいに発展し、株式上場企業も東証一部二部マザーズJASDAQの合計で、2014年5月現在、337社と産業分類上2番目に企業数の多いカテゴリーとなっています。

出典:http://itjobgate.jisa.or.jp/trend/

自分の将来的に目指す方向の決め方

会社規模が小さい方が様々な仕事を任されるので、ある程度何でも対応できるようなジェネラリストタイプのビジネスマンになれたり、逆に分業制の会社でプロフェッショナルを目指していくのか、人によって異なります。

よく、ベンチャー企業から大企業への転職は難しいが、大企業からベンチャー企業への転職は楽だという噂のような言葉を耳にしたことがあるかもしれません。

これは正しいようで、誤解されている部分があります。

ベンチャー企業で活躍した人は大企業でも活躍できる

ベンチャー企業で優秀だった人は、総じて大企業に転職することが可能ですし、活躍することもできます。大企業では分業化されているので、自分の仕事はここだけだと考えて働いている人も少なくありませんが、ベンチャー企業で様々な範囲の仕事をしていた人は例え分業化されたとしても様々な角度から問題解決することができます。

そして問題解決する方法を多く持っていたり、その水準が高いほどクライアント・お客さんへの価値をより多く提供できるとも言えます。

つまり、ベンチャー企業で働いていた人が大企業へ転職できないというのは誤解です。企業によってはプロフェッショナルとして働いていたという経験が求められる場合もありますので、一概には言えませんが多くの企業で、ベンチャー企業から大企業へは転職できないということはありません。

 

ただ、それ以前に優良なIT企業を探すための方法を幾つかご紹介していきます。

IT企業でもビジネスモデルは様々

ビジネス

IT企業と一言でいってもビジネスモデルは非常に多岐に渡ります。ビジネスモデルを知らないで企業に入社するということは、将来性を考えずに入社するということです。その上で、競合他社との差別化はどこなのか把握しておく必要があります。

ここではそのビジネスモデルや分野について少しまとめておきます。

● 広告代理事業
→ 企業の商品やサービスの告知をするために、企業の代わりに広告出稿や運用を代行する事業です。大きな企業になると自社で広告を運用するのではなく、予算を持って、下記のような企業に広告の運用を委託します。FacebookやTwitter上での広告運用や、Google、Yahooでの検索結果の広告運用など幅広い広告運用会社があります。

これは、リスティング広告、ディスプレイ広告などと呼ばれる運用型広告と呼ばれています。

・広告代理事業の大手企業は、サイバーエージェント、セプテーニ、オプトなどが有名な会社です。

● メディア事業
→ Yahoo、LINE、Ameba、mixi、食べログなどのメディアを運営している事業です。メディア事業の運営会社は、自社のメディアの中でアイテム・スタンプ・有料会員などの課金での収益と、広告枠を販売することによって売り上げを上げています。

・広告営業という職種は、広告枠を販売する人のことです。

● Saas型のソフトウェア販売事業
freee、マネーフォーワード、サイボウズMFクラウド会計などのグループウェアなど自分・会社の情報を入力したり、カスタマイズして生活や事業をより便利にするサービスの事をSass(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)と言います。定常的に利用することや会社での利用人数が上下することによって、料金が変動するサービスが大半です。

・普遍的な価値を提供できるサービスであれば、定期的に収入が立つモデルなので、安定がある企業になります。

ビジネスモデルを把握するための参考サイト・書籍

● Yahooファイナンス
● 四季報
● 業界系の読本

ビジネスモデルを調べて、そのビジネスは長期的に必要とされ続けるのか、その企業は他の企業との差別化としてどのようなものを資産として保有しているのかなどを判断するようにしましょう。

差別化をどう判断するか

● 現状その企業しか持っていない事業
● その企業にしかない企業文化
● 企業の福利厚生などの仕組みが生きているのか

IT企業の特徴

ビジネス

IT企業には他の業界にはない様々な特徴があります。他の業界よりもヒエラルキーが少なく、若手でも実力主義ですぐ取締役か社長になれることもあります。このような特徴をご紹介していきます。

給料は残業代の出ない会社が多く、年収は上下する

IT企業は残業が多いと言われていますが、これは当てはまっています。しかし残業代が支払われる企業は意外と少ないです。ベンチャー企業は、成果に応じて支払うインセンティブの支払い比率が高く、残業代が支払われる企業は少ないです。

大手企業でも支払われる企業と支払われない企業、また大手企業に勤めていてもベンチャー企業で成果を出してインセンティブをもらえると大手企業で残業代が出る時以上の給料になることもあります。

また、ベンチャー企業の場合インセンティブの多い年と少ない年などで年収が上下する場合もありますので、常に安定した給料がもらえると考えると微妙です。

自分がどのようなスタンスで働いていきたいのか判断してから企業を選びましょう。残業代が支払われるからといって優良企業だとは限りません。

残業

仕事にはスピード感が求められる

IT業界はほぼあらゆるコンテンツの流通が可能です。今ではWifiなど高速インターネットのインフラも整ってきたので、知識やスキルを勉強すれば誰でも簡単に発信、制作できるようになりました。そうなってくるとコンテンツが増えてきて、競合が多くなっていきます。

つまるところ、差別化になることが「スピード」になっていきます。クライアントにとってスピード感とクオリティを高く維持することで価値を提供できたり、メディア事業を行う企業であれば、ユーザーにとって便利な機能やサービスを早く提供することによって満足度を高め、継続的に利用してもらえるようになります。

大手企業では上司やそのまた上の上司などに聞かないといけないようなものも、自分での判断が求められたり、そのスピードは会社の規模によりますが1年も変わってしまうこともあります。なので、仕事をスピード感持ってやりたい、早く成長したい、多くの経験を積みたいという方は小さめのIT企業に入ると良いでしょう。

スピード感が求められるポイント

● コンテンツの流通コストが下がったので、コンテンツが増える
● コンテンツが増えるので差別化が必要になる
● 良質なコンテンツをスピード感を持って提供することが必要になる

IT企業を選択するときのポイント

IT企業に来て何をしたいのかを明確化する

会社の従業員数もベンチャー企業だと5人未満から100人、大手企業でも1000人〜10000人など非常に様々です。グローバル企業になると数千人から数万人レベルになります。

また、従業員数が多い会社は多くの事業展開をしていることが多く、様々な事業を経験できる可能性がありますが、ベンチャー企業だと選択と集中で事業は絞ってしっかり積み立てて稼いでいくということが多いのです。

つまり、自分のスタンスを決めておいて、将来的に独立したい、起業したい、自分でフリーランスになりたいというような人は全体が学ぶことができるベンチャー企業に入るなど、将来自分がどうしたいか・何を成したいか、から逆算すると良いでしょう。逆にそこまで給料はいらなくても大手企業である程度の安定の中で働いていきたいという方は大手企業に入ると良いでしょう。

しかし、今の時代やIT企業に安定というのは存在しません。大手企業でも何かの事業に失敗してしまったら会社が揺らぐということもあります。

IT業界だと大手企業でも安定ではない例

一例として、ソーシャルネットワークサービスのmixiが昔は流行っていましたが、Facebookが海外からやってきたときにユーザーを失って売り上げが下がり、会社が傾いていきました。しかし、モンスターストライクというゲームを当てることでmixiというプラットフォームを運営していたとき以上の売り上げと利益をもたらしました。

  ミクシィは5月10日、2016年3月期の連結業績を発表した。通期の売上高は、2087億9900万円で前年度比84.9%増。また、営業利益は950億3300万円で前年度比80.4%増と、増収増益を達成している。ただし、2017年3月期では、新規事業への積極的投資や大規模なプロモーション費用を展開予定。売上高2180億円、営業利益800億円の増収減益を見込んでいる。

出典:http://japan.cnet.com/news/business/35082354/

どういう能力を伸ばしたいのかを明確化する

IT企業で何をしたいかを明確にした後に、どのような能力を将来的に伸ばしていきたいかまで掘り下げることをお勧めします。抽象的にこういうスキルという大枠でも良いのですが、起業や独立をしたい方であれば、営業スキル・プログラミングスキル・顧客とのコミュニケーションスキル・請求書や見積書の発行・簡単な法律的な部分など幾つか考えられますよね。

自分の方向性をある程度見極めたあとは、その方向性に対してどのようなスキルが必要になるのか、そしてその方向性は一貫性があるか、目指す方向に対して、身につけようとしているスキルは長期的に必要とされるのかをブレイクダウンしていきます。紙に書き出してみるとより整理されるのでおすすめします。

このようなことが済んだあとは、IT企業でもその中で様々な業界と接することになります。自分が感性的にどのようなことに興味があって、自分の目指すべき方向・身に付けたいスキルとセットになっているとブレずに長期的に努力できますし、成果を残すことができるでしょう。

IT企業の各業界との関連するサービス一覧

みなさんの使っているようなユーザーに使われるようなサービス系の企業を主にご紹介していきます。自分が関わりたいような業界と仕事ができるサービスを運営しているところがおすすめです。

● 飲食業界
食べログ、Retty、クックパッド

● 旅行業界
トラベル子、DeNAトラベル、Tripadvisor、一休、relux

● ファッション業界
ZOZOTOWN

● インターネットサービス全般
Yahoo! Japan(ヤフー株式会社)、価格.com、GMOグループ

● ゲーム
DeNAサイバーエージェント、GREE、mixi、ガンホーオンラインエンターテインメント

● 漫画・イラスト
pixiv

● インターネット動画配信事業
ドワンゴ(ニコニコ動画)、AbemaTV、LINE

● インターネットショッピング
楽天、メルカリ、Fril

● 士業系サービス
freee、マネーフォーワード、弥生会計

● インフルエンサーマーケティング
UUUM

● 人材サービス
リクナビ、マイナビ、ビズリーチ、ネオキャリア、サポーターズ

上記は一例ですが、様々なIT企業が存在します。ホームページにアクセスした際に事業概要・内容のページや、IRなどで決算を見ておくと良くわかるでしょう。

また、自分が入りたいサービスがあれば、絶対利用しておくことをお勧めします。利用してユーザー視点を持たなければいずれにせよ入社した後に困ることになります。

また、転職サイトや転職エージェントから転職先を紹介してもらうときにも、自分の方向性を明確にしておいて、その上で上記のような企業を見て勉強しておくと選択しやすくなります。転職エージェントの方が勧めたから受けるというわけではなく、自分で判断できるようになると選択も早くなります。

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IT企業の口コミばかりで判断しない

就職・転職サイトや口コミサイトが多く存在しますが、口コミサイトばかりで判断しているといつまでも選択できなくなるでしょう。もし、その転職・就職サイトで人気ランキング上位だったとしても、自分がその企業に合っているのか判断できませんよね。

ランキングが上位になっているには理由がありますし、これまで述べているように、「自分の将来設計、伸ばしたいスキルや知識、そのスキルの将来性や知識の判断」から逆算して、企業を探していくことが大切です。

また、インターネット企業は転職のサイクルが早く辞めてしまう人は愚痴を書いたりする場合があるので、悲観的な意見が多くなりがちです。そうするとまた判断しづらくなってしまいます。

もし、中の人の情報が知りたいのであれば、友人や知り合いから企業に勤めている人を紹介してもらうか、面接を受けた時に社員の方を何人か紹介してもらうのが良いでしょう。

IT企業の入社難易度は、偏差値は?

ビジネス

IT企業への就職・転職の入社難易度や偏差値はどのようになっているのかという声を多く聞きます。大手企業の総合職だと東大・京大・早慶上智といった高学歴な大学の人が多くなっていきますが、クリエイターだと学歴よりも技術やスキルを見られることがほとんどです。

ですから、自分の偏差値や学歴に自信がないという方はクリエイターでの就職や転職をすることをお勧めします。ただ、転職の場合はどれだけ学歴があっても実力・実績の世界になりますので、実力がなければどういう企業への転職も難しくなるでしょう。

 

以上いかがでしたでしょうか、IT企業・業界は特殊なことも多いですが、刺激があり、イノベーションが起こっていく業界です。

スピード感が早いため自分が合わせて行かなければ成長できませんし、止まってしまいます。事業も安定しているものというのが決まっていないので、どんどん行って行く必要があります。そのような状況を楽しめるという方はぜひIT企業・業界にチャレンジしてみてください。

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